38歳の冴えない小説家志望が、自分の書きかけWeb小説『終末のラトハノア』の世界へ転生。しかも主人公ではなく「聖女アイシャ」という、書いた記憶すらないキャラクターとして目覚める――
自作小説への転生というメタ構造が斬新です。書いた設定と「実際」が微妙に違う戸惑い、自分で生み出したはずのキャラたちとのギャップ、そして何より、ラストが決まらず放置していた物語を、今度は中から完結させなければならない使命感。
38歳男性が少女の姿になり、知ってるはずなのに違う展開に翻弄される主人公。サイラスとの微妙にすれ違う関係性もリアルで切ない。現実世界の美咲との別れ、「世界を救う」という重責、そして書けなかった"あの結末"に、どう向き合うのか。
これは「書く」ことへの覚悟を問う物語なのかもしれない。未完で投げ出した物語と、再び向き合う勇気――
素人作家、エタりかけた自作のヒロインにTS憑依転生。自ら動いて物語を進めていく!
web小説で読む機会のなかった設定なのですが、自作品転生はwebtoonなどでたまに見かけて好きな題材なので拝見しました。
自作に転生したアドバンテージを活かして主人公無双……と思いきや、自分が書いたのとどこか違う生きた登場人物達に翻弄され、派手なスキルも生えず、元の体と違う体の感覚に戸惑いながら主人公は旅をしていきます。
知っている作品まして自作に転生したアドバンテージをここまで活かすことのできない主人公は、失礼ながら見たことがありません。
ですが、それこそがこの小説の魅力だと思います。自作のヒロインとして転生してしまった主人公ならではの、自作に対する細やかな気づきや描写があり、チートという形ではなく、自作に転生したという部分を生かした設定とそれを書く筆力に唸るばかりです。
この巧みさは、普段小説を書いている人間にこそグッとくる部分ではないかと思います。
そんな気持ちで、このレビューをしたためています。
地に足のついた旅の物語を読みたい方にもお勧めです。
拝読させていただきありがとうございます。
続きも楽しみにしています。
遊園地デートの最中、ジェットコースターで事故にあった主人公
気が付けば、自分の書いているWeb小説の主人公である聖女になっていた──という導入から始まる本作品は、見知らぬ世界でも、ゲームの世界でもなく、自分の作り上げた世界が舞台という時点で珍しい
主人公が作者という入れ子構造の物語は幾つか読んだことがあるが、その中でもクオリティが高く、「自分の書いた物語なのに自分の知らない展開が続く」という流れもあいまって、先を読むことのできないハラハラドキドキ感がある
でも、デートしてたあの子は、あっち側に転生してるんだろうなあ
そんな予感がひしひしとするのだが、本作品ならばそれすら裏切ってきそうで先が気になりまくる
完成させることのできなかった物語は、果たしてどんな結末を辿るのか
注目していきたい一作だ
※アカウント利用停止措置を受けたため、本レビューは再投稿となります
自分が書いている小説の舞台に転移する……奇抜な発想から誕生した異色のファンタジーです。
主人公は三十代の勤め人。小説投稿サイトで連載を続けているものの、今ひとつ伸び悩んでいます。
変わり映えしない日常を過ごす中、就活中の女学生と行った遊園地で不可解なアクシデントに巻き込まれ、目覚めれば見知らぬ土地……しかも自分は少女の姿に変わっていた。
そして、幾つかの固有名詞を手掛かりに、転生した先が執筆途中の小説の世界であることに気付きます。
「そもそも国という概念がない。俺がそういう風に書いたからだ」(第十一話より)
物語の書き手は通常、その作品世界の創造主です。何もかもが自分の思う通り。いわば全知全能の神、あるいは独裁者。けれども、転生先は勝手が違い、主人公はおろおろするばかり……登場キャラも微妙に設定が異なります。
「俺の小説の中ってこんな感じだったんだなぁ。思い返すと、小説内にこの世界の人たちがどんな服装だとかあまり書かなかった気がする」(第十八話より)
自作との相違点に戸惑うだけではなく、「物書きあるある」が散見されるほか、皮肉も盛り込まれているように見受けられます。
「目の前の魔物は俺が書いていた魔物と酷似している。小説の登場人物たちはこれと戦っていた。普通に戦っていたんだ。おかしいだろう」(第三十八話より)
手探りで異世界を巡る主人公は、出会いを経験して冒険もします。しかし、この先に如何なる運命が待ち受けているのか、まったく不明。何故なら、オリジナルの小説は執筆過程&若干エタり気味で、作者も結末を知らないのです。
果たして、主人公が行き着く先は何処か。そして、どんなエンディングが用意されているのでしょうか?
鬼気迫るプロローグは、終わりの見えない物語。
そのお話の作者が、何事にも中途半端で、前進を恐れる、どこにでもいる物書きです。
何の発展も進展もない日常の中、唯一思い切って書いたWEB小説もエタるかと思われていたある日、幼馴染の少女が、とんでもない破壊力を持って飛び込んで来ます。
少女は、彼の記憶よりもすっかり成長した魅力的な女性になっていて、グイグイ来る彼女のおかげで、彼の日常はがらりと姿を変えます。
そう、本当にがらりと……。物語の中に飛び込んで行く予兆が見えたところまでが公開されている、始まったばかりのこのお話。
追いつくなら今のうちです!