とても読みやすい!描写が丁寧!疾走感があるの三拍子!
- ★★★ Excellent!!!
はてさて、読ませていただきました!
『イソップハントで捕まえて』
今作は内気故に『コウモリ女』の異名を持つ少女『月澄佳穂(つきすみ かほ)』がおばあちゃんのお願いで、慣れないおしゃれに挑戦しようとしたけど、紆余曲折あって、どういう訳か仕立て屋コルボの契約書にサイン、そして本当にコウモリの獣人となってしまい、少し特殊なオニゴッコに参加する羽目に。
同じようにオニゴッコに参加する獣人のオニ役の人たちから逃げ、時には協力してくれる人もいる、そんなお話です。
今作の魅力はなんと言っても三つもある!
一つは描写のわかりやすさ。
程よい文章の長さ、情景と心理描写の丁寧さのお陰で、短く、かといって完結ではないという、小説において完璧とも言える文章が描かれています。
二つは主人公の視点。
今作はほぼずっと主人公の視点で続く為、主人公の心理描写が丁寧に描かれていて、「あぁ、今主人公はこう思っているのか」というのがわかりやすく伝わり、主人公に好感が持てます。
主人公の好感度って、長編の小説において凄く重要だと思っているんですよね。
三つはオニゴッコの疾走感。
最後はオニゴッコ、それの疾走感です。
主人公はオニから逃げる役目のため、上二つの魅力が最大限に発揮されています。
分かりやすく、丁寧な描写と主人公の心理描写、それのお陰で、風さえ感じるほどの臨場感と疾走感。
読む手が止まりません!
イソップハントで捕まえて、是非、小説を始めて見るよ。小説はめっちゃ読むよ。どちらの人にもお勧めできる、個人的に完璧とも言える作品だと思っております!