異郷に咲く、少女と女神の冬物語

貧しさの中、家族を支えて生きてきた少女・雪花。
一冬だけ、貴族の姫君に仕えるという出稼ぎ話を受けた彼女に、村では見たこともないような豪奢な馬車が迎えに来る。

辿り着いたのは、伝説の神域・崑崙丘。
そこに住まうのは人ならぬ者たち――麗しい姫、獣の姿を持つ宰相、そして、天女のような微笑みをたたえる女神。

怯え、戸惑いながらも、女神様の優しさに救われた雪花は、この異郷で新たな日々を歩み始める。
与えられたのは、豪奢な部屋、美しい花園、そして、ぬくもり。

けれど、ただの奉公では終わらない。
胸を打つ出会いと、心を試される運命が、静かに彼女を待ち受けている。

生まれ育った世界とはまるで違う場所で、少女は何を選び、何を掴むのか。
幻想と現実が交錯する、優しくも鮮やかな物語。

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