概要
カクヨムコンテスト10【短編】の最終選考対象作品です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!パンと牛丼と個人的な思い出
「涙とともにパンをかじった者でなければ人生の本当の意味はわからない」
といったのはゲーテだそうだが『牛丼並盛:280円』を読んで、ひさしぶりにこの言葉を思い出した。
若いころ某ホテルの深夜清掃のバイトをしていた。
バイトを終えた夜明け、新宿で終夜営業していた本屋で雑誌を立ち読みしたら、自分の弟の記事が出ていた。
当時弟は結婚したばかりで新しい家族と一緒に幸せそうに写真に写っていた。
それを見て「おれなにやってんだ」と思った。
仕事はうまくいかないし、夢だった小説も一字も書けない。
それから氷雨が降る中吉野家で牛丼を食べた。
味は覚えていない。
寒かったことだけ覚えている。
優れた小説は過…続きを読む - ★★★ Excellent!!!描かれるは、等身大の社会人。就活生、社会人必読の何故だか泣ける短編小説
本作を読み終わって、なぜだかちょっとウルッと来てしまいました。
その理由はたぶん、本作で描かれる主人公がどこにでもいそうな”ふつーの人”であり、なんかすごいご都合主義的な幸運に恵まれるわけでもない……等身大の社会人だからだと思います。
要は、すっごく共感しやすいんですよね!
私も今の職場にそれなりに長い間努めてますが、ある日いきなり何かしらの理由で解雇されたら、確かにこんな感じの気持ちになりそうだな、と。
そこまで文字数の多くない3000文字ちょいの短編ではありますが、ラストまで読むと本当に色々なことを考えさせられます。
取りあえず、温かい食事は疲れた人の心を救うのです!!
社会…続きを読む - ★★★ Excellent!!!牛丼が沁みる····。
十年以上勤めていた会社から、まさかの解雇通告。解雇通知を受け取ってから30日までは社員。あと◯◯日のカウントダウン。上司や運良く会社に残れた同僚の言葉に苛立ちを覚える日々。そして、転職先が決まらないまま最後の勤務が終わってしまう。
夜の帰り道。空腹でふらっと入った牛丼屋さん。280円。手頃な値段である牛丼並み盛りを頼んだ····。
4000文字にも満たない短編小説の中に、ひとりの男の人生の重たい1ページが描かれているのです。まるでショートドラマを観ているかのような、そんな作品。なにか超展開があるとかそういう類いのものではなく、今日は駄目だったけど明日はもう少し頑張ろうかな、という小さな希…続きを読む