これはきっと、気づかない方が良かったパターンです。この、傍観者だったのに当事者の立場に変わる瞬間は、ホラー好きならたまらないと思います。「祝福は、きっと呪いに似ている。」この一文は本作を読めば、たしかに紙一重だと感じます。しかし彼が目の当たりにした祝福は、呪いのように蝕んでいますが、呪いのように苦しめ陥れようとはしていません。
モチーフに魅せられた絵描きの行き着く先は――。最高の“muse”に出会った瞬間から、死ぬまでカンヴァスに向かい続ける“画家”の狂気と本質を書いた作品でした。 売れない老人画家の寂れた雰囲気から、その絵に衝撃を受けたときの主人公の描写が素晴らしいです。
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