妹を生き返らせたくありませんか?

夢の中で起きた、奇妙な誘拐事件。
見知らぬ名前。意味不明な言葉。親友の豹変。
そして目覚めた先には、『ありえない現実』が待っていた。

高校一年生・鵜飼直道のもとに現れたのは、セーラー服の少女。
自称「厚生労働省 自殺予防総合対策センター」の職員だという彼女は、
取調室で唐突にこう告げた。

「妹の、鵜飼穂苗を蘇らせたくありませんか?」

一年前に亡くなった最愛の妹。
明るく、気丈で、誰よりも強かった彼女が、なぜ自ら命を絶ったのか。
『死の理由』も、『遺書』も、すべてが闇に包まれたままだった。

「夢の中で誘拐された三人を、あなたが助ければ、妹は生き返ります」

彼女が語る『夢と死者をつなぐ計画』。
信じられるのか、こんな話。
だが、信じるしかなかった。
なぜなら――妹の笑顔を、まだ忘れられないから。

死んだ人間は本当に生き返るのか?
あの夢は何だったのか?
この少女はいったい何者なのか?
そして、妹が本当に『自殺』だったのか?

交錯する生と死。
重なる夢と現実。
少年の選択が、物語を動かす。

「誰かを救えば、妹が戻ってくる」

それが真実なら、僕は何度でも夢を見る。

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