概要
いずれ訪れる未来、それはヒトの心に寄生して――
【あらすじ】
遺伝子修正パッチで発達障害が完治する時代。大学生珈亜(こーあ)は、パッチ治療中の女子中学生千桜と出会い、危うい同居関係となった。警察の介入後も二人の関係は続き、千桜は珈亜宅での生活を続けていく。千桜の主治医は、この状況に怒りを感じつつも千桜の安定を目の当たりにし戸惑う。一方、治療中である千桜の友人の錯乱を機にパッチ治療に疑問を持ちはじめ、やがて別人格が本来の人格を乗っ取る〈ヒメバチ症〉の存在を知り、その研究を決意する。非行少年の対応にあたる一人の警官も子供たちの噂からこの問題を知り、協力関係となった。また千桜の学校の養護教諭は、自身の息子の治療による変化と〈ヒメバチ症〉報道の狭間で葛藤し、校長と対立しながらも説明会で親のあり方を問いかけるのだった。
遺伝子修正パッチで発達障害が完治する時代。大学生珈亜(こーあ)は、パッチ治療中の女子中学生千桜と出会い、危うい同居関係となった。警察の介入後も二人の関係は続き、千桜は珈亜宅での生活を続けていく。千桜の主治医は、この状況に怒りを感じつつも千桜の安定を目の当たりにし戸惑う。一方、治療中である千桜の友人の錯乱を機にパッチ治療に疑問を持ちはじめ、やがて別人格が本来の人格を乗っ取る〈ヒメバチ症〉の存在を知り、その研究を決意する。非行少年の対応にあたる一人の警官も子供たちの噂からこの問題を知り、協力関係となった。また千桜の学校の養護教諭は、自身の息子の治療による変化と〈ヒメバチ症〉報道の狭間で葛藤し、校長と対立しながらも説明会で親のあり方を問いかけるのだった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!発達障害を様々な角度から捉えた、社会派大問題作
とにかく読んでくれ。
冒頭そして第一章は作者が読者を騙しに、いや、選びにかかっているので、好みの作品ではないと感じたらぜひ読み進めて欲しい。
作者が冒頭で読み手を選んでいるのは、全編通して内容が社会派であり、この不快な冒頭に耐え得る者のみが最後まで読み切り、受け止める感性を持っているからだ。
第一部以外は全て、執筆するには専門職による知識が必要で、おそらくは作者の実際の経験や人との関わりに基づいていると思われる。
だが、専門知識だけでなく人物の感情に根ざしたストーリー展開となっており、専門性を酷くリアルに感じさせる。
ーーなぜ、人は他人のために動くのか、動かないのか。
ーーなぜその人…続きを読む - ★★★ Excellent!!!挑戦的なテーマで描く、子どもたちと大人たちの物語
発達障害を治療するパッチが普及している世界という設定を軸に、様々な人間ドラマが展開される連作短編集。
挑戦的なテーマですが、だからこそ社会に真摯に向き合った濃密な作品となっていて、色々なことを考えさせられました。
治療の代償として、記憶が飛んだり、幻聴が聞こえてきたりします。
さらには、元の人格が消えてしまうのではないかとも言われていて──。
作中でも、あえて『治療』という言葉を使っていたり、パッチを使うことに対する意見が様々であったりしていて、作品を通して何か大切な問いを投げ掛けられているように感じました。
発達障害を抱えた子どもへの接し方が、登場する大人によって異なっているところ…続きを読む