身代わりの花嫁は神様の溺愛から逃れられない
- ★★★ Excellent!!!
幼いときに湖の神様の花嫁に選ばれてから、厳しくも大切に育てられた碧。念願叶い、嫁ぎ先で幸せに暮らす――はずだったのです。
しかし、碧は三日で実家に帰って来てしまったのでした。話を聞けば、婚礼は湖の底の掃除が終わらなければできないらしく、嫁ぐ予定の神様とも会っていないとのこと。掃除ぐらい頑張って終わらせられそうなものですが、普段から掃除をしていない碧にとっては苦行そのものだったのです。汚い場所にとどまるなんてまっぴらごめん! 思っていた生活とはかけ離れていた実態に、碧は双子の妹である翠との入れ替わりを提案します。翠は陸の巫女として湖の草むしりや御用聞きなどを毎日行っているため、掃除に対する抵抗はまったくありませんでした。
こうして碧の代わりに湖の底へ向かうことになった翠は、姉の幸せのために大奮闘。すっかり汚れていた大きな蛇の鱗が輝きを取り戻していくうちに、湖の神様の好感度も増し、身代わりの翠をいたく気に入るのでした。
立派な花嫁になるべく努力を重ねてきた姉の頑張りを知っているからこそ、神様からの寵愛が恐れ多いと感じる翠。そんな翠に好かれたい一心でアプローチする神様の姿が微笑ましく、早く鉄壁の翠を攻略してもらえないだろうかと願ってしまいました。
うねうね動く蛇は少し怖いと思われている方もご安心を。読み進めていくうちに、蛇の可愛らしさに気づかされていきますよ。
身代わりから始まる異種婚礼譚。ざまぁも溺愛も摂取したい方におすすめです。