視覚が武器になる!? 革新的異世界ファンタジー! 理系脳におススメ!
- ★★★ Excellent!!!
この作品は異世界ファンタジーに全く新しいアプローチを持ち込んだ傑作と言えるでしょう。
以下、ネタバレを含みます。
最大の魅力は「視覚心理学×異世界冒険」という前代未聞の組み合わせ。
個人的見解にはなるが、どんな作品も専門性を持てば持つほど面白くなる傾向にあると思っています。この作品は特にその傾向が強かったと言えるでしょう。
主人公が放り込まれた世界では、赤一色の人、白黒の人、極彩色の怪物が混在し、その世界では「見え方」そのものがルールを支配しています。時間が止まった町で、観察し、仮説を立て、実際に検証を行う。そんな科学的思考とプロセスによって謎を解いていく展開は、まさに新感覚のミステリーアドベンチャーと言えるでしょう。
白黒世界出身のヒロイン・メアリーの設定はとても優秀です。視線一つで怪物を停止させる能力を持ちながら、クールダウンという制約が戦略性を生み出し、毎回知恵比べの緊張感を味わうことが出来ます。
また、思考実験における「メアリーの部屋」を知っている人であれば、それを想起させる哲学的背景もまた、彼女を楽しむ要因となるでしょう。
ただの学術ネタではなく、そこにメアリーが実在したらどうなるのかという一つのアンサーがここにあると思います。
また、「理屈で勝つ」という主人公増も非常に魅力的です。
チート能力などは一切登場せず、むしろチートじみた敵を倒すため、観察眼と分析能力で困難を乗り越える主人公を自然と応援したくなります。
毎回「これはどうやって切り抜けるんだ?」と思わせるハラハラ感があり、強力な能力を持つ味方の制約を意識しながら作戦会議をするシーンは、かなり面白いです。
調子に乗って口を滑らせたり、下手な失敗をしてしまうところも主人公の魅力と言えるでしょう。
テンポのいい連載スタイルも非常に読みやすく、一気に読めてしまう素晴らしい作品です。
理系要素のある異世界物、推理や考察系バトル、そして異世界ファンタジーとは一線を画した独創性を求める方には絶対におススメです!
資格と認識の不思議を武器にした、唯一無二の冒険をぜひ体験してください。