入れ替わり設定を活かした格闘描写が面白い
- ★★★ Excellent!!!
この作品、しっかりした格闘物で非常に面白いです。
バス事故でベテラン男性レスラーの魂が異世界の女子レスラーの体に入ってしまうという設定なんですが、単なる入れ替わりネタで終わらせないのが良いですね。重心の違いや声の変化、筋力の差に戸惑いながらも、長年培った受け身や間合いの感覚は残っているという描写がリアルでした。
この世界ではプロレスが神への「奉納」という宗教的な意味を持っていて、異能力「フェイバリットギフト」を使って戦うという設定も面白いです。主人公の能力は相手の心理を読む「神眼」で、派手な必殺技じゃなくて情報戦に活かすというのが地味だけど実用的で良かったです。
章タイトルの付け方もセンスが良くて、「月は三つ、魂は一つ」「赫き女王の裁定」みたいな言葉を見ると読む前から期待が高まります。
格闘もの好き、異世界転生もの好き、ちょっと変わった設定の作品を読みたい人にはおすすめです。プロレスの知識がなくても楽しめると思います。