王子の決意の隣には、いつも優しい名づけ親の魔法使い
- ★★★ Excellent!!!
ある野望を抱いている王子ロワメールは、国の一大事を解決するため、名づけ親である「魔法使い殺し」セツに会いに行きます。
「魔法使い殺し」とは呼び名で、「マスター」とも呼ばれますが、まさに魔法使いを殺すための最強の魔法使いであり、その力の行使が必要となった時だけ、冷凍睡眠から覚まされるのです。
幼い頃、半年をセツと過ごしたロワメールはセツを慕い、セツも親ばかと言っていいほどに彼を大事に思っています。
その大事な王子が、魔剣を抜き敵に立ち向かう様は、まさに圧巻です。魔剣は魔力を帯びた国宝で、王子だから持てるもの。王子はいつも何かを守るため、名づけ親から温かい視線を向けられながら、またはその決意に驚かれながら、前に進み続けます。
その心根の折れないことにいつも嬉しい裏切りを受け、目の奥が熱くなります。
セツとの親友とも親子とも言えるような強い絆は、シリアスな場面でもコミカルな場面でも心が温まります。
物語が進むうち、ロワメールの周りも、セツの周りにも、魅力的な人達が集まってきます。彼らもまた、矜持を持ち、がむしゃらに進みながら友情を育んでいきます。
楽しく、朗らかでありながら、時には決意に満ちた熱い物語です。
心躍らせたいと思う方に、自信を持って、お勧めします!