俺にトラウマを植え付けた幼馴染と何故か同棲することになった件

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（221文字）

全て読み終えたので書きます。

ストーリーはあらすじにお願いします。

この作品はまず構成が上手いです。そして、テーマも明確で物語に深みを持たせ、より良いストーリーに仕上げてます。

キャラの関係、根幹となるピアノとの向き合い方。これらの要素が上手いこと組み合わさって早く続きを読みたいと欲を見事に掻き立ててきます。実際にかなりのペースで読み進めて、もう最後です。名残惜しい…。

追記すると、本作はラブコメに分類出来るとは思いますが、少しばかり他とテイストが異なります。
恋愛要素を全面に押し出すのではなく、ピアノを含むトラウマを乗り越える再生の物語という面が強いです。そこが個人的に好きな要素な…続きを読む

一気読みでテンポよく、楽しくそして切なく読破できます。
読みながら、行間から聴こえてくる気がしそうな、溢れ出る音楽をたくさん想像できたら、より幸せですね。

曲目のレベルも登場人物の実績に見合った現実的なところが良いですね！もちろんクラシックの曲を知らなくても、しっかり物語を楽しめます。

この分量で終わってしまうのは勿体無いほど、世界が広がる、物語の可能性も拡がる登場人物達ですね。

ラブコメ枠らしいのですが、恋愛枠として読むととても美しい話です。
ときどき挿入される悠のセリフが頭に刺さってきます。
ドラマ化やアニメ化してほしい作品です。

　かつて「天才」の称号を恣（ほしいまま）にするピアニストの少年がいた。コンクールに出場すれば賞を総なめにし、大人顔負けの技術でピアノを弾きこなす。世間からもてはやされた彼は、こども心に舞い上がっていた。

　しかし、ある時、彼は“本物”と出会って、自身の才能の程度を知らしめられる。人生初の挫折。それはピアノしかなかった少年にとって、これまでの人生、これまでの努力、その全ての否定と同義だった。

　そうして挫折を知り、現実を思い知らされた少年は成長し、青年になる。

　努力の無意味さを呪い、大好きだったピアノから距離をとって、無為に、気楽に生きる日々。心の奥底で燻る日を見て見ぬふりをしながら高…続きを読む

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