読むことが心地よくなる異能ミステリー

書き捨ての物語が溢れるこの時代に、
一文一文に魂が通っていると感じられる話がある。

『雨のち晴れの事件簿』は、
静かに、確かにこちらの心を掴んでくる。

異能という非日常なのに、
無理のない論理の強さと、人のぬくもりの両方で成り立っている。

人物たちの会話には体温があり、構成には無駄がない。
そして何より――この作品は「丁寧に書かれている」。

その誠実さが、こちらの心まで静かに整えてくれる。

しっとりと静かに“読む”という行為を思い出させてくれる、
揺るぎない筆致が、ページに確かな重みを残している。

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