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「私たちの出会いは運命だよ。だから、どこかに正解がある。繰り返す中で終わりが来ない正解がきっとある」

 運命とはどんなものを指す言葉だったのか、もう分からなくなってしまった。

「何度も繰り返す中で出会うことが必然となった今の私たちは本当に運命と呼べるのかな」

「呼べるよ」

 彼女は頑なだ。でも私もこの考えを曲げられないのだから彼女とそう変わらない。関係が始まったことは間違いでなかったと、関係が終わったことは間違いではなかったと、私たちは互いにそう信じてそう思い込みたいだけなのだ。

「もう終わりにしよっか」

 私のその言葉は届かないまま視界が歪む。私と彼女の必然がまた引き寄せられる。

 嗚呼、またセカイが始まる。

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Somnium 藍沢慧 @Aru_dokusyo

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