見習い庭師ユフィ
大陸における百年戦争は終結し、人々は平和な時を過ごしていた。
この島国であるローゼンでも百年戦争の影響は消え去った。と同時に輸入が盛んになり、各国から珍しい物や食べ物そして植物などが入るようになった。
ローゼンの王宮には様々が物品が王様に貢がれるのであった。
ローゼン王宮には大庭園がある。そこにはたくさんの庭師が働いていて、今日も忙しなく植物に手入れをするのだ。
最年少の庭師はユフィ。学園を卒業後すぐにこの王宮に住み込みで働くことになった。親元を離れ一人での生活だ。
彼女はまだ王宮大庭園について何も知らない。植物の扱い方は学園で習ったが、ユフィの成績は中の下。なぜユフィはこの王宮大庭園に採用されたのかは永遠の謎である。
「ウェイさん、この植物はなんて名前なんでしょうか?」
「そんなことも知らないのか? 学園で何を習ってきたんだ?」
「ほとんど寝てました」
「あのなあ……」
中級庭師ウェイを困らせるユフィ。国立学校を下位の成績で卒業しただけのことはある。
「ですから、この植物の名前はなんですか?」
「自分で調べろ」
「調べても分からないから言ってるんじゃないですかあ」
「お前それでも大卒か?」
「もちろん!」
「自信だけは一人前だな」
あーでもないこーでもない、と二人なかなか前に進まない。
「向日葵」
「へ?」
「ひまわり」
「え?」
「HIMAWARI」
「ふ~ん、」
「分かったら水あげの仕事をしっかりやれよー」
「へーい」
「返事は「はい」だろ?」
「へーい」
「まったく……」
ひまわり。ユフィは自分のマイノートにメモをするのであった。
頭を小突かれ、振り向くと悪ガキのロスが立っていた。
「ねーちゃん、べんきょ?」
「そ、そうね」
「ねーちゃん大卒だろ?」
「そ、そうね」
「ちゅーたい?」
ゴツッ!
ロスの頭頂に直撃するのであった。少し涙目に成りながら、あっかんべー、とロスはその場から逃げ去っていった。
ユフィは再びノートにメモを取り始めた。
〝ひまわり〟の特徴をひとつひとつノートに書き出していく。最後に簡単なスケッチで締めた。
「完璧ね! これからよこれから。この王宮大庭園のてっぺんに登るにはコツコツ地道な努力が必要なのよ。見ててください、おばあさま。必ずトップの庭師になってみせます! おーほっほっほ!」
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ここまで読んでくださってありがとうございました!
なんかね、いろいろ新作を書きたいなあって思うのですが、書けない。
しかも、他の小説が途中なのでそちらも優先させたい。
んー。どうしよ……?
とりあえず、公開してみようかな?
とある短編の置き場所 とろり。 @towanosakura
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