【KAC20255】ボツ作品


 第1回天下一ギャグマシーン大会の最終戦に勝ち上がった深谷ふかたに。持ち味の意味不明ギャグはギャグ帝王に通用するのか。


「さあ! ここまで勝ち抜いた深谷ふかたにさん! 意気込みをどうぞ!」

「天下無双のギャグマスターとは俺のこと。ギャグマシーンに俺はなる!」

「す、素晴らしい、ですね。私めは少し引いてしまうくらいの勢いです!」


 東組の深谷ふかたには西組のトリ、NISHIWARAを待っていた。


 派手な音と共に現れた西組のNISHIWARAは登場したと思えば、いきなり三点倒立してくるくる回り始めた。


「おーっと! ダンス挑発かぁ!?」


 深谷ふかたにも負けじと三点倒立して回り始めた。

 二人は独楽こまのようにぶつかり合うも体勢を崩すことはなかった。


「二人とも禿げないように気を付けて!」


 バトル進行者はおもてなしの気遣いで対応してあげた。しかしNISHIWARAは元々禿げかかっていたから勢いが止まらない。気にする理由がないのだ。一方深谷ふかたには育毛中の身であるために回転速度は落ちていった。

 勝者はNISHIWARAであった。


「このハゲマシーンがっ! ダンスがようでよかったな!」


 深谷ふかたにはNISHIWARAを挑発した。


「ようし、深谷ふかたにとやら、ここからが本番だ。最高のギャグを解き放て!」


「おぅよ!」


 深谷ふかたにはそう返すと気合いを入れ直した。そして……


「布団がふっとんだ!」+変顔


 会場がざわつくとブーイングの嵐に変わっていった。

 バトル進行者はそのブーイング観客をなだめると、NISHIWARAにギャグ発動権を与えた。


「さあ、続いてギャグ帝王NISHIWARA! どんなギャグを見せてくれるのか!?」


 数秒間の沈黙。そして……


「よーおーふくの、赤山!」


 大爆笑の渦だった。人気芸人はやはり違かった。




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