第二章 ようこそ!ブレイブ・アカデミーへ! 7

 

「ふむ、お前十万年経ってもその無表示は変わらないのだな、つまらない勇者おとこだ」


魔王は少し不貞腐れた様子で続きを語った


「まぁそんな感じで勇者の血を引く存在が三六人居る事になった訳だ。あ、因みに最初の六人の男どもはドラゴン契約して精神を喰われて天聖教会の犬になったぞ」


「そうか」


勇者は相変わらず無表情で魔王の話を聞いている。


彼にとっては半信半疑なのだ。


魔族という存在を知り尽くしているからこそ、今までの話が全てり《そ》に聞こえる。


仮に全て真実だったとしても今更どうにもならないのだからいちいち反応してもしょうがない。


「まぁ訳一名使い物にならなかったと教会の人間が嘆いていたなぁwなんでも一緒に転生した女の片方とつがいだったらしく女の悲劇を聴いて人格が破壊されたらしいwwまるでお前みたいだなw」


笑いながら人の不幸を語る魔王は心の底から楽しんでいる様に見える。


どうや十万年の月日を得て奴の感情は随分とコロコロ変わる様になったらしい。


「そうだな」


相変わらず冷め切った表情で魔王に相槌を打っていると一瞬魔王が黙り込み何かを考え始めた。


「………………」


「それで?」


少しすると何かを思いついた様に興奮気味に喋る。


「そしてww生まれた子供を禁忌魔法で無理矢理成長させてwwwまだ言葉も話せない赤子をwww」


「…………」


「めっちゃくちゃに——」


そこまで言いかけた瞬間、勇者の目で追えないほどのスピードで何かが魔王に当たる音が響いた。


[カキーーーン]


その正体は先ほどまで魔王の後ろに立っていた女の魔族だった。


女は自身の腰に下げていた剣を魔王にぶち当て無理矢理黙らせたのだ。

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 不滅の勇者、聖剣学園に通う。 ドロッP @KOKOsen

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