死に瀕して始まった、心地良い疑似家族という名のひととき
- ★★★ Excellent!!!
魔が差した瞬間を止められたことから始まった少年と『悪いおじさん』の保護生活の一幕が丁寧に綴られた一作です。
タバコの香りをキーワードに、ちらちらと見えるお互いの事情、そして築かれた関係性と別れ。
結末も寂寞感がありながら、美しくて読了後に空を見たくなる……胸が痛むけれど、『確かにそこにあった救済の話』です。
最後となりますが、ガラム・スーリヤのスーリヤとは太陽を意味する言葉と記憶しています。
だから晴れた日に空へ顔を上げると、二人にとってそれぞれ、思い出の人がいるようでいいですね。