弁天様が見届ける

江戸から明治へ移行する横浜を舞台に、可愛い弁天様が変化する人の世を闊歩します。とはいえ何かを成すわけではありません。神仏はただ人の営みを見守り、寄り添うだけ。温かなまなざしと優しさが物語の中で始終感じられます。

主人公の弁天様は好奇心の塊で、落ち着きなく変化する街並みや文化にいそいそと突撃!
土地の変化や外国軍との関係、当時は珍しかった食べ物や外国の品々など、歴史と風俗も勉強になります。未知の物に対する日本人の反応も様々。登場したあれこれを自分が表現するとしたら……と考えてみるのも面白いかもしれませんね。

きっと忙しなくて、不安で、大変で、ちょっとだけ面白かった時代の空気。弁天様の目をを通して味わってみてはいかがでしょうか。

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