レゾナンス 断章(超掌編SF)
その女性――ミノアはクリーム色の服に、緑色のケープを肩にかけていた。
放射能に塗れた埃を捲いて、風はミノアの藍色の髪を
ひしゃげた怪物のような、黒いロボットの残骸に右手を置いて、ミノアは微笑った。――たしかに、白い頬に、ひび割れた唇を傾けて。
クリーム色の手袋には、茶色い百合の模様。
どこまでも続く荒廃した灰色の大地に、発電施設だけが巨人の墓地の如く、地の果てまで続く。
そんな不細工な言葉が記憶の彼方に消えてゆく。いや、消えてゆくような心のざわめき。――そんな仄かなざわめきを、ミノアの笑顔がもたらした。
けれど……
今の汚染された地球上では、コルフトで生成した肉体など、十分ともたない。僕の意識は溶けてゆく。
そうしてまた僕は、地底へと……。
地底に広がるコンピュータ・レイヤに。――人々が情報として生きる、
誰だ? きみは誰だ?
ミノア…………。なぜあんな場所に?
水玉と青いサカナ【詩のようなもの】 浅里絋太 @kou_sh
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます