凶悪な犯罪者も魔術師も、恋する乙女には敵わない☆

面白い。読んですぐ唸らされたこの一作。
自信をもっておすすめする。

連作短編サスペンス。現代ファンタジー世界で魔術によって行われる犯罪を舞台に犯人と主人公との駆け引きが繰り広げられる。

が、思うに本作の“面白さ”の肝はそこではない。
それだけではないのだ。

読者を惹き付けてやまないのは、主人公彩夜の恋だ。
ただ愛する人に一目会うために、彼女は犯罪者たちを執拗に追い詰める。

重い……! 乙女の恋心、激重すぎん……?

なぜ彩夜がそこまで思い詰めてるのか、なぜ彼は囚われているのか、――この仄暗く重い恋の行方がめちゃくちゃ気になる。ここに絶対おいしいなにかがあるぞ、と本能が囁く。
(っていうか、お前もうちょっと愛想よくしろ、彼氏!!)

連作短編なので各エピソードは小気味良く読むことができ、かつ恋の謎は徐々に明かされつつある。

さあ、あなたも一緒にこの恋を見届けようぜ!

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