その強さや優しさは、もともと少女の中に存在していた
- ★★★ Excellent!!!
この話を読みたいと思ったのは何といっても「大切なペットを失った悲しみ」から物語が始まってることです。動物好きの私にはすごくその辛さが共感出来たので、一体そんな悲しみをどんな風に癒していけるのか?立ち直って行くのか?という部分が気になり読み進めました。
読み進めると主人公のナツの持つ意外なほどの強さに驚かされます。
きっと人一倍繊細な子で、立ち直ることから始めなければならないと思っていたけれど、ナツは最初から新しく始まった冒険の世界と、一生懸命向き合っています。
出会う人たちを拒絶したりすることもなく、経験者にはリスペクトを向け、素直に教えを受けることも出来ます。本当に素直で頑張り屋なのです。そのうちに、この子は元々こんなに明るくて強い子だったんだ、と気づきました。
だからこそ大切にしていたものの死と、その時の悲しみを周囲に理解されなかったことで、深く傷ついてしまったのかもしれません。
強くなっていく物語というより、ナツ自身が自分の中にこんな強さがあったんだなと自分の美点に気づくようなこともあって、新しい何かを発見するというよりは気づいていなかった自分の中の素晴らしさに、新しい友人たちとの出会いの中で気づいて行く話のように思います