ギリシャ物語　Ⅱ【前編】

引き続きティリオンとアフロディア姫のストーリーが展開する今作。
ふたりの逃避行、そして追いかける側の物語が交錯します。

歴史物で一見とっつきにくいかも……と思いつつもサクサクとストーリーを追えて読み進めてしまうのがこのシリーズの魅力です。

登場人物は多いですが「この人誰だっけ……？」とならないのがこの作品。
山あり谷あり、そして緩急あり。
魅力あふれる登場人物の手に汗握る物語がそこにはあります。

一見とっつきにくそうな舞台ですが、これはなんだろうと細かな設定に疑問に思うこともありませんし、説明が過剰過ぎて読むのが苦痛……ということもありません。

この後一体どうなってしまうのだろうとい…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（140文字）

ギリシヤ物語から引き続き、アテネの貴族の子弟であるティリオンとスパルタのお姫様のアフロディアの物語である。

軽妙だが緊張感の高い会話で話が進んでいく。

優しいティリオンと気の強いアフロディア姫が、次々と災難や不幸なめぐり合わせに襲われる。そんな二人の恋路が面白くてたまらない。思わずどんどんと読み進んでしまう。作者は稀有の才能を持った書き手だと思う。

ティリオンとアフロディア姫の二人には、過酷だが優しくて楽しい本城ワールドを永遠にさまよい続けてほしいと願わずにはいられない。お勧めの作品である。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（287文字）

『ギリシャ物語』のラストシーンが緊迫したところで終わってしまい
もう心拍数が爆上がりの状態で、序章というべき外伝へと小休憩

そして、ほっこりしていたところに、
またしても緊迫したシーンからスタートとするという
本城劇場の真髄ですね～
読者の心を鷲掴みにして離さない、そんなストーリー構成
壮大なスケールにコミカルなキャラたちが縦横無尽に駆け回る

読者も一喜一憂しながら、古代ギリシャの地に立っているかのようで

重厚感のある物語なのに、爽快に駆け抜けて行けるのは
作者さまの世界観の賜物だと思います

この御シリーズを読んだら、
絶対にもっと古代ギリシャのことが知りたくなるはず
貴方様も是非、…続きを読む

　更に壮大に、そして緊迫感を持って展開していく物語。読み始めると完全に沼の状態になっていきます。

　前作の『ギリシャ物語Ⅰ』のラストから続き、アテナイ・テバイの連合から逃亡していくティリオンとアフロディア姫。
　その二人の逃避行の物語と、二人を追おうとするアテナイ側のフレイウス、テバイ側のペロピダスらの物語とが交錯していきます。

　一人一人の登場人物の個性がとても強く、追跡する側も決して一枚岩ではありません。ティリオンの身を案じ、味方であろうとするフレイウス。一方でゲスの代表格のような人間で、アフロディア姫を無理矢理に自分の妻にしようと企むペロピダス。
　フレイウスとペロピダスは互いを出…続きを読む

もちろん、前作を読んで今作を読んでいるわけですが、やっぱり面白いですね。

前作は「なんでこんなことに？」「これからどうなるのだろう？」と物語を掘り進めて行った気がしましたが、今作は、行き着いた物語の先で、気がついたら物語に囲まれていたような気分で読んでいます。

登場人物を知っているからなのか、前作よりもさらに登場人物の瑞々しさを感じます。

そんな彼らの絡み合う思惑が、前作とは少し違った緊張感や面白さを読み手に提供してくれるのではないでしょうか。

『ギリシャ物語』の続編です。
前作の『ギリシャ物語』も面白かったのですが、続編となるⅡも、さらに登場人物が（しかも個性的）増え、期待感が倍増です。

すれ違いと勘違いと追いかけっこにハラハラドキドキです。
続きが、伏線が、あの登場人物のその後は……。
気になるところがいっぱいの歴史スペクタクルです。
後編も読みます！

彼が逃げ続ける限り、物事の決着はあり得ないわけで前編ということは後編まで逃げることは決まっているのでしょう。
さておき、事件としては戦後の興奮の混乱が冷めやらぬ土地を駆け抜けるティリオンとアフロディア姫の行方を見事だれがとらえるのか。

大変楽しみです。

　前作『ギリシャ物語』に引き続き、いくつもの都市国家が割拠している古代ギリシャ。
　それぞれの国の思惑、状況に、主人公である美貌の青年ティリオンは、否応なく巻き込まれていきます。
　手に汗握るだけでなく、登城人物たちの生き生きとした会話や、随所にちりばめれた当時の世相などに、するすると自然に物語に引き込まれます。その大きなうねりに、読者は主人公ティリオンと共に翻弄されることでしょう。

　そして、こちらは「前編」。「後編」へ向けて、物語は加速していきます！