エンドマークを打つ前に

小説家を目指す白峰宗介は、中学校までに味わった様々な経験と失敗から、『社会的に明確な価値』が身に付くまでは、自分は無価値であり、何かの主役になること、当事者になるべきではない、という考えを持っていた。
そんな彼が求める『社会的な価値』とはずばり、小説家としてプロデビューすること。しかし、小説を書き続けるも、中学時代にとった『優秀賞』以外は、鳴かず飛ばずの毎日。
高校生になって数カ月がたった今日も、宗介はひたすら小説を書いて、プロデビューを目指すのだった。
そんな折、突然学校でも有名な美少女、栗花落鳴華から話しかけられる。小説を書いている旨を説明する宗介を、鳴華は興味を抱く目でみるのだった。
そこから、しばしば話すようになる二人だったが、宗介は鳴華と関わることに気が進まなかった。
それは過去の…続きを読む