最悪の総理が政治を牛耳り、重く伸し掛る空気が漂う世間。
そんな中、1人の青年が反逆の準備を始めていた。
この社会には、害刑制度と呼ばれる下手すれば即死刑の法律があるにも関わらず……。
しかしそれでも、青年は不名誉な最後を遂げた人の無念を晴らすために足掻く。
そして青年は、仲間と共に最悪の総理と世の中へ反逆を始める。
今宵、頂戴するのは大衆の視線だ。
15年という年月をかけて練られたこの作品。
そのため、あらゆる所に仕掛けが張り巡らされています。
私はそれを楽しんでこその本作だと思うので、あえてこれ以上は何も言いません。
その代わりに、是非もう1人の主人公であるひかるが主人公であるタカと組むところまで読んでください。
もしこの仕掛けにビビッときたならば。
あなたの心はもう、ダークに盗まれております。
そして最後に一言。
背負いすぎ主人公って……いいよね!
怪盗ものは数多くありますが、「5人で1人の怪盗を演じる」という設定には驚かされました。しかも、それぞれが天才(バカ)と呼ばれるほどの強烈な個性を持っていて、読んでいて飽きる暇がありません。
個人的にはゲームになりますが、ペルソナ5が思い浮かびました。
主人公タカのカリスマ性と、彼に惹かれて集まる仲間たちの掛け合いがテンポよく、時に笑えて、時に熱くなる展開が続きます。
15話まで読んだ時点で、物語の核となる「正義とは何か」「権力に抗うとはどういうことか」といったテーマがじわじわと浮かび上がってきて、ただのエンタメでは終わらない深みを感じました。
今後、彼らがどんな盗みを見せてくれるのか、そしてその先に何が待っているのか。
続きを読むのが楽しみです。
一つの事件を皮切りに、ある怪盗が日本中を騒がせる。
『怪盗』
この単語から皆様はどのような人物を連想するでしょうか?
アルセーヌ・ルパンやキッドなど、色々な人物像が浮かぶかと思います。ここでよく考えてみて下さい。彼らは基本、一人だけ、もしくは助手となる人物とのタッグで目的の物を盗み出しますよね?
だけどDARKはここが違う。
5人で1役を演じる、そこに魅力があるんです。この作品は怪盗モノであり、ヒューマンドラマでもある。5人いるということは当然それだけ人間関係が深く絡まり合うということ。それを第三者視点から見ることで、喜びやもどかしさがより強くなります。DARKは作戦決行シーンだけでなく、それまでの過程がもの凄く面白い作品です。
でもこれだけでは、ここまで沼ることはなかったかもしれません。この作品の素晴らしいところは、何と言ってもこの構成力にあると思います。
試しに一度、一話目のタイトルを見てみて下さい。違和感に気づきませんか?
そしてさらに一つの状況をinside と outside の二視点で書き分けることで、主人公達やその周りの人物の思惑や読み合いがより面白くなっているんです。
今回はここでメイン設定と構成について書きましたが、実は他にも面白い要素が盛り沢山なんです。(出てくる道具とか時代背景とか。こんなのよく思いついたな!!って毎回驚かされます)
この小さなスペースでは書ききれない素晴らしい作品、ぜひ皆様、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
まず9話まで読もう。さすればタイトルが何を示しているのか、わかる。
世相風刺的な要素はいったん置いておくとして(怪盗物の王道でもあるので)、大事なのは一体「怪盗DARK」とは何なのか、だ。
ペルソナ5?いや、あれは全員怪盗だ。
ルパン三世?いや、あれは厳密に怪盗と言えるのはルパン一人だけだ。
では本作はどうなのか?
5人で1人の怪盗を演じる。つまり、5人全員が怪盗でもあり、怪盗でもない。
その実態と表層の間に、怪盗DARKは生まれる。
9話までのネタバレっちゃネタバレなのだが、キャッチコピーに書いてあるからいいでしょう(たぶん)
そして、それぞれのメンバーは特化スキル持ちではあるが、一つ一つは秀でて一人で何かを突破できるほどのものではない(だからこそ5人編成である意味が生まれる)
メンバーそれぞれ個性的だ。若者だけとか、青年だけとか、そういったものは、もちろん無い。ザ・多様性(ちょっと言い過ぎ?)
そんなメンバーだからこそ、人間関係は極めて重要(なにしろ5人揃っている必要があるので欠くことができない)。
それゆえに人間関係=ヒューマンドラマも極めて重要なファクターで、本作が怪盗をモチーフにしつつ、そこに重層的ドラマを内包している。
ここまで読めば、もうわかるでしょ?
これは怪盗物でもあり、同時にヒューマンドラマでもあり、クスっとできる社会風刺もあり、そしてエンタメの王道でもある。
読みたくなりましたか?なりましたね?読みましょう。
個人的にペルソナ5が好きなので、雰囲気が似ていそうなこちらの作品が気になり、読んでみたらハマりました!
怪盗ものという王道ジャンルでありながら、現代的な社会問題を巧みに織り込み、単なるエンターテイメントを超えた深みのある作品に仕上がっている作品です。
最新話まで読んで、視点転換が二重三重とあり、伏線の張り方も自然で、読んでいて中だるみもなく、次はそうなるのだろうというワクワク感が常にあり、飽きることがありませんでした。
主人公の復讐心を原動力としながらも、仲間との絆を通じて人間性を取り戻していく過程が丁寧に描かれているところも素晴らしいです。
続きがとても気になる作品です。この後タカたちがどのような展開を迎えるのか、そして青山刑事との本格的な対決がどう描かれるのか、非常に興味深いです!
本作は、ヒューマンドラマ要素の濃いサスペンス作品なのですが、そのどちらも描写が丁寧で、かつ構成もしっかりしていて読みやすいです。
次回が気になる終わり方になっている為、続きが待ち遠しい!
キャラクターひとりひとりが個性的で、そんな彼らが一人の怪盗「ダーク」を演じるという設定も面白い。
ヒューマン要素に関しては、主人公の境遇や、そんな主人公を気にかけるとあるキャラクター(ネタバレになるので名前は伏せます)の関係性が非常にリアルだと感じました。何よりそのエピソードが心に残る程に切なくて…。
サスペンスとヒューマンドラマが好きな人には刺さる作品かと思います。
もっと多くの人に読んで欲しい作品の一つです。