概要
この夏、万事上手くいきますように
大英帝国がいまだ隆盛を保つ20世紀初頭。パブリック・スクールに入学したサミュエルは、貴族の子弟「ロビン」と親しくなる。サミュエルはロビンに憧れながらも、やがて自身の出自や、貧困と教育の関わりなど、帝国の繁栄のために犠牲となっている者たちへの想いを強くしていき──。
作中引用
キェルケゴオル『愛について』(芳賀檀訳、新潮文庫)
作中引用
キェルケゴオル『愛について』(芳賀檀訳、新潮文庫)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!紛うことなき傑作。読むべし。
静謐で重厚で暗喩に富む物語でした。
おそらくは、後日ふたたび紐解くことになるでしょう。
かの昭和の文豪、宮本輝氏の傑作『錦秋』を彷彿させる書簡形式の本作は、同じパブリック・スクールの学窓で時を過ごし、邪鬼なき仲違いのまま巣立った二人のルームメイトと、その仲介を勤める後輩の三人による計6通の手紙で構成されます。
三様が、立場の違い(と言うには軽すぎるが)を基とする己の信念の在り方を綴る文面は、圧巻の一語に尽きます。
戦争(第一次世界大戦)を挟んだ二十世紀初頭の欧州覇権を背景にした本作は、読む者の心に小さくない楔を打ち込むでしょう。
ウェブで手軽に小説を読める時代ですが、このような傑作に突き当…続きを読む