言葉ってやっぱ面白い

面白い。
短歌そのものの三十一文字という制限と、小説上でのルール。それから登場人物たちの思惑とが合わさって、最後まで楽しめる物語でした。

単に、「言ったことが現実になる」のではなく、これから起きることを未来を知るなにかが教えてくれているだけ、という解釈も個人的には好き。


読んでみて思ったのですが、この小説はとても静かな小説なんです。
わちゃわちゃしておらず、個性豊かな登場人物が痛快劇を繰り広げるのもなく。
囲碁や将棋のような、静かな中でしっかりと向き合い、戦う。
静寂だからこそ一つひとつの言葉がよく響く、そんな小説でした。

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