第33話 あとがき

ふ~う。

思い返してみると随分と色々な事が次々と留まることなく起こって来たものだ。

その間の子供達の成長過程については一切省いているが本当に次々と色々な事がありよく乗り越えてきたと我ながら感心するやら自分のバカさ加減に呆れたりしている。


 私は離婚してかなり長い間、周りの人に自分が離婚した事を言えなかった。

ましてや結婚していた時の出来事や離婚に至った経緯等は身内にも言えなかった。

子供達にも隠し通したつもりだ。

バツイチという言葉も嫌いだった。それ程心の傷は深かった。


 しかし、10年、20年、30年と時が過ぎていくうち離婚した事を人に聞かれたら「逃げられちゃったのよ」と冗談めかして言えるようになった。

只、結婚していた時の色々な出来事や離婚に至る経緯については今だ誰にも話したことは無かった。

こんな事実があったとは子供達も知らないと思う。

正直なところ30年経った今では思い出す事も無かった。


 ところが最近になって何故か結婚をしていた時の事、書いてみようかなと思いついてしまった。

書き始めたらまるで第三者のように感情移入する事無く淡々と振り返える事が出来た。

30年という年月が深い深い私の心の傷を癒してくれていたのだろう。


 こうして振り返ってみたが私の方側からのストーリーなので自分に都合の良いように書いている部分もあるかもしれない。

忘れている部分もあるかもしれない。

思い違いをしている事もあるかもしれない。

私は拓哉が私との結婚生活をどんな思いで過ごしていたのか?色々な出来事をどう感じていたのか?私は結婚前の拓哉がすっかり変わってしまって一方的に振り回されたと思っているが果たして拓哉はどうだったのだろう?

聞いてみたい気がする。

拓哉側はもっともっと波乱に満ちているかもしれない……。

まぁ、どうでもいいけどね(笑)


 今では子供達もそれぞれ家庭を持ち私の果たせなかったマイホームも手に入れ温かい家庭を築いている。

そして可愛い孫も8人(男の子3人、女の子5人)になった。

自分の生きてきた人生の中で今が一番充実して幸せであると感じている。

子供達3人とシングルマザーとなって再出発した時希望に燃えていたが、子供達が成長してそれぞれ旅立つまでにはこれまた色々な苦難が待ち受けていた。

いつか機会があれば手記にしてみようかな。

いつになるか分からないけど……。(笑)


 誰でも皆、色々な悩みや苦難を乗り越えて毎日を送っていると思うけど、私の様な怒涛の日々を送った人間もいるのだ。

けれどそれは決して不幸な人生ではなかったと私は思っている。

今では私に必要な時間だったと思え、頑張った自分が愛おしくも感じている。

がむしゃらに生きてきた私の人生の一ページであり、色々な苦難を乗り越えてこそ今の私の幸せがあると感じている。

そして、これからの人生、私は自分自身を大切に生きていこうと思っている。


 こんな私の『流転の時』を面白い(?)と興味を持って最後まで読んで下さりありがとうございます。読んで下さった皆様に感謝しています。

そして皆様が幸せでありますように。

 


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流転の時 この美のこ @cocopin

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