第15話 終焉
佐沼帝国は、世界各国でテロを扇動している武器商人の潮来王馬に対するドローン攻撃を行った。
2年後、2032年8月7日
佐沼月のボディーガードである薬師寺ラルゴは妻の
🇺🇸
アメリカ人のイーストは佐沼帝国に魂を売っていた。表の顔はマロンのシークレットサービスだ。
イーストは他の主要国首脳も参列する葬儀に出席するために同僚のキング、シルバーと共にカリフォルニア州にやって来た。
厳重な警戒体勢が敷かれているカリフォルニア州だったが、葬儀会場の大聖堂に向かっていたイギリスのチャーリー首相とその妻を乗せた車が突如、爆発した。それと同時に、他の首脳たちも警官や救急隊、近衛兵に紛れていた王馬の手下らによって一斉に攻撃を受ける。王馬軍団はカラシニコフライフルや手榴弾を用いた。キング、シルバーやマロンの側近のニールも攻撃を受け、応戦しつつ大聖堂から車で逃走する。追跡してくる敵と銃撃戦を繰り広げた末、ヘリコプターに乗り込み、空港へと向かう。しかし、今度は空にて、ビルの屋上にいたテロリストから、スティンガーミサイルによる攻撃を受ける。マリーンワンは墜落し、シルバーは致命傷を受けて死亡する。キングとニールは追っ手の追跡を受けながら、ソノマ・マリンエリア鉄道のサンタローザ駅へと逃げ込む。
サンタローザ市はその人口が増えたために未開発の地域はほんの周縁に残されているだけである。しかし、そこには町の心臓部を流れているサンタローザ・クリークとその支流による主要回廊を含んでいる。西9番通りの中央分離帯やサンタローザ・クリークと中心街にある樹木にはオオアオサギ、ダイサギ、ユキコサギおよびゴイサギの巣がある。東部の丘に近い地区を鹿がうろついているのを目にすることがあり、フランクリン・アベニューやマクドナルド地域まで町の中に入ってくることもある。野生の七面鳥の群れは幾つかの地域で比較的普通に見られ、市域内でマウンテンライオンが目撃されたこともある。アライグマやフクロネズミは市内のどこでも見られ、キツネやウサギは田園地帯で頻繁に見られるものである。さらに市の北端境界とその延長はアナデル州立公園であり、ソノマ山やソノマ・バレーにまで拡がっている。アナデル州立公園はスプリング湖郡立公園やハワース公園にも隣接し、訪れる者が野生生物の世界に分け入ることのできる連続的な公園を形成している。
『ベガ』の攻撃によりカリフォルニア州は停電となり、通信機能もダウンする。ホワイトハウスに王馬からの脅迫メッセージが届く。また、死亡したマロンの検死の結果、体内から毒物が検出され、その死は、アメリカに世界の指導者たちを集めるための罠であったことが判明する。キングとニールは、CIAのエージェントであるヒルトンの隠れ家に到着する。彼らは、隠れ家に救出チームが向かっているという、ミッキー副大統領からのメッセージを受信する。
セキュリティカメラが武装した人影を映した。しかしキングは、彼らが救出チームではなく、テロリストであることに気づく。ヒルトンはテロリストに通じている内部協力者を突き止めるために、バージニア州の中央情報局へ向かう。
中央情報局(Central Intelligence Agency、略称:CIA)は、 アメリカ合衆国連邦政府の対外情報機関であり、主に人的情報(HUMINT)を利用して世界中から国家安全保障に関する情報を収集、処理、分析することを公式任務としている。米国の情報コミュニティ(IC)の主要メンバーであるCIAは、アメリカ合衆国国家情報長官の直属であり、主にアメリカ合衆国大統領と内閣に情報を提供することを目的としている。
第33代大統領ハリー・トルーマンが諸外国から寄せられる多種多様な情報を、一括して収集できる組織を望んだことを契機に組織された。中央情報局(以下「CIA」)は、国家安全保障会議の直轄機関であり、アメリカ軍からは独立して存在している。
CIA自身が収集した情報の他に、国家安全保障局、国家偵察局、国防情報局、各軍の情報部、財務省情報部、エネルギー省情報部といったアメリカ政府の情報機関から構成されるインテリジェンス・コミュニティーからの情報を集めて分析し、大統領と国家情報長官に報告する。アメリカのインテリジェンス・コミュニティーは国家情報長官によって統括され、CIAはその「中央」にある情報機関である。
また、CIAは創設期からイスラエル諜報特務庁やイギリス秘密情報部とつながりが深く、また、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの情報機関とは、アングロ・サクソン連合として横の連携がある(UKUSA協定)。
キングとニールは、車に乗ってジョージタウンを目指した。ニールの家があるのだ。
ジョージタウンは、ポトマック川河岸沿いの、アメリカ合衆国首都ワシントンD.C.北西部近郊の名称。ワシントンD.C.が設立する以前は独立した都市であった。
ジョージタウンは、南はポトマック川に、東はロック・クリークに、北はグラバー・パークに、そして西はジョージタウン大学に境を接しており、特に西側近隣の区域は、ポトマック川を見渡す絶壁に位置している。そのため、北と南を結ぶ通りにはやや急な坂道が多い。特にM・ストリートとプロスペクト・ストリートを繋ぐ「エクソシスト・ステップス」と呼ばれる有名な階段は、周辺の小高い地形によって急勾配になっている。
ジョージタウンで商業的に最も重要な通りはM・ストリートとウィスコンシン・アヴェニューであり、ここに並ぶ高級ファッション店は年間を通じて観光客と買い物客を大勢集めている。また河岸に面したK・ストリートの成長もめざましく、アウトドア形式を呼び物にしたバーやレストランは、ボートレースを観戦するのに人気のスポットである。M・ストリートとK・ストリートの間には歴史あるチェサピーク・オハイオ運河が流れ、今日ではツアーボートが定期運航しているほか、両岸に接する小道をジョギングしたり散歩する人も多い。
ジョージタウンには、ジョージタウン大学の主要キャンパスや、フランス、モンゴル、タイ、ウクライナ大使館がある。この他の観光名所としては、
ダンバートン・オークス・ガーデン ― 1944年に国際連合設立の会議が開催。アルゼンチン大使夫妻が作った庭園と屋敷。
オールド・ストーン・ハウス ― 1765年に建てられ、M・ストリートに位置するワシントンD.C.で最古の建造物。
マウント・ザイオン・セメタリー ― 初期ワシントンD.C.のアフリカン・アメリカン達へ無料の埋葬を求めた地。
オークヒル・セメタリー ― アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの息子であるウィリーや他の著名人が眠る墓地。ウィリアム・ウィルソン・コーコランによって寄贈され、墓地内のゴシック調のチャペルと門は建築家ジェームズ・レンウィックによるデザイン。
ジョージタウンに向かうが、テロリストによって運転されていたゴミ収集車に衝突された。テロリストの中にはイーストやラルゴもいた。
ニールはテロリストに拉致されてしまう。キングはCIAとグリンベレー混成の救出チームに合流する。
イーストはニールの処刑を全世界にネットで実況中継しようとしていた。その処刑の舞台となるビルをCIAが見つけ、キングら救出チームは突入を決行する。大攻防戦の末キングはニールを救出し、爆破寸前のビルから脱出に成功した。
ヒルトンは監視カメラシステムを復活させ、シルバーが王馬に協力していたことを突き止め、追い詰めてハンドガンで射殺した。「まさか、君を殺すことになろうとはね」
キングが入手した王馬側の衛星電話からイーストの正確な居所が判明した。
セントラル・バレーは、アメリカ合衆国、カリフォルニア州の中央部を占める広く平らな谷。その面積は2万平方マイル(約5万km2)に達し、720万人の人口を擁する。
北はカスケード山脈、東はシエラネヴァダ山脈、南はテハチャピ山地、西はコースト山脈とサンフランシスコ湾に囲まれており、サクラメント川とサンワーキン川が流れ、農業地帯になっている。北部はサクラメント・バレー、南部はサンホアキン・バレーと呼ばれる。
カリフォルニア州のほかの場所と異なり、この谷は非常に平らである。海水面が現在よりも高かった時代には海だったと考えられている。
主要な都市はサクラメント、ストックトン、フレズノ、レディング、ベーカーズフィールドなどがあるが、イーストはレディングにいる模様だ。
ミッキーは再度イーストにドローン攻撃を仕掛けて完全殲滅に成功した。犠牲者の中にはラルゴもいた。
辺見は佐沼帝国が近いうちに崩壊することを占った。辺見は、帝国崩壊後に3万年続くはずの暗黒時代を、あらゆる知識を保存することで千年に縮めようとし、知識の集大成となる魔法の電子辞書をつくったが、帝国崩壊を公言し平和を乱したという罪で裁判にかけられ、ゴーストタウン化したウサギ島ターミナスへ追放されることになった。しかし、この追放劇すらも辺見の計画に予定されていた事柄であった。
辺見はウサギ島の西端にある丘陵地帯に巨大な穴があるのを見つけた。
穴から武田勝頼がタイムスリップしたことを突き止める。
病で死期を悟っていた辺見は、己の仕事が終わったことを確信する。
月は木星と土星について徹底的に研究をした。
まずは木星。
夜、そして太陽が低いときに地上から視認できた木星は古代から知られていた。古代バビロニアでは、木星は神マルドゥクと同一視されていた。彼らは、木星の黄道に沿う約12年にわたる周期を用いて、黄道十二星座の各星座を定めていた。
英語のジュピター は、ギリシア神話のゼウスと同一とみなされるローマ神話の神ユーピテルを語源とする。この名はインド・ヨーロッパ祖語におけるDyēu-pəterが変化した呼称であり、その意味は「天空の父たる神」または「日の父たる神」である。英語における木星の形容詞jovianは、古くはjovialとも書かれ、これは同時に「陽気な、愉快な、幸せな」などの意味を持ち、中世の占星術師から守護惑星の意味として使われた。
中国では、黄道に沿った公転周期がほぼ12年であることから、十二次を司るもっとも尊い星として「歳星」と呼ばれた。また、道教においては
1953年に行われたユーリー-ミラーの実験は、原始地球の大気に存在した化学物質から稲妻によって生物を構成するアミノ酸など有機化合物が合成されることを明らかにした。この実験で使われた大気は、水、メタン、アンモニア、水素分子などであり、これらは木星大気にも含まれている。しかし木星には強い垂直方向の空気循環があり、このような物質は高温の惑星内部に運ばれて分解してしまい、地球型の生命が発生することを妨げると考えられる。
また、大気中にある水の絶対量が乏しい点と、岩石核の表面が惑星深くの強い圧力に晒されていることも地球型生物の発生条件にほとんど適さないと考えられる理由である。しかしボイジャー計画前の1976年には、木星の上層大気中にアンモニアか水を媒介とする生物が存在する仮説が示された。この説では、地球の海のような環境をあてはめたもので、上層部に漂い光合成を行うプランクトンが存在し、その下部にはこれらを食糧とする魚のような生物が、さらに下には魚を捕食する生物がいると想定した。
ハーバード大学教授のカール・セーガンは、木星の中心にある岩石質の中心核はまわりを広大な水の海で囲まれ、そこに生物がいる可能性を示唆した。彼は、木星内部は高温であるが一方で高圧でもあり、水が液状で封じられているとすれば、その体積量は地球の海の620倍と試算した。液体の水ならば重力や外部の気圧は影響を及ぼさず、また生命の素材たる有機化合物は木星表面の観測から多量に存在すると考えられる。ただしこの説を確かめる術はない。
地球上から観測すると、木星は太陽・月・金星に続いて4番目に明るく見える天体である。しかし、時に火星が木星よりも明るく見えることがある。これは、太陽と木星と地球の相対的な位置が関係し、木星が太陽との衝にあるときは−2.9等級、合にあるときには−1.6等級と明るさが移り変わるためである。また、角直径も50.1 - 29.8秒までの間を変化する。
位相角(en)は最大11.5度であるため、地球から見ると木星には影で欠ける食がほとんど視認できない。
木星の観察は紀元前8 - 7世紀ごろの古代バビロニアまでさかのぼることができる。また古代中国でも、天文学者の甘徳が紀元前362年に肉眼で木星の衛星を観察したと席澤宗(Xi Zezong)は主張した。これが正しければ、彼はガリレオに先立つこと2000年前に衛星を発見していたことになる。紀元前2世紀ごろには古代ローマのクラウディオス・プトレマイオスが著作『アルマゲスト』にて、従円と周転円を用いて木星と地球の相対位置を説明し、木星の公転時間を地球時間で4332.38日または11.86年とする天動説の惑星モデルを作り上げた。499年にはインドの天文学者・数学者のアリヤバータが同じく天動説モデルにて、木星公転を4332.2722日または11.86年と計算した。
1610年にガリレオ・ガリレイは、望遠鏡を用いて木星に4つの衛星を発見した。これらは地球の月以外では初めて発見された衛星で、今日ではガリレオ衛星と呼ばれるイオ・エウロパ・ガニメデ・カリストである。これは同時に、地球以外の天体力学の中心が初めて見つかった例でもあり、ニコラウス・コペルニクスの地動説を支持する有力な証拠とガリレオは主張したが、そのために彼は異端審問にかけられた。
1660年代、ジョヴァンニ・カッシーニは新型の望遠鏡を用いて観測を行い、木星表面の斑や多彩な帯を発見した。さらに、惑星全体が極方向でつぶれた扁平状であることも視認した。これらの観察から、彼は木星の自転時間を計算し、1690年には大気が差動回転を起こしていることにも気づいた。
次は土星だ。
土星の内部には鉄やニッケルおよびシリコンと酸素の化合物である岩石から成る中心核があり、そのまわりを金属水素が厚く覆っていると考えられ、中間層には液体の水素とヘリウムが、その外側はガスが取り巻いている。
惑星表面は、最上部にあるアンモニアの結晶に由来する白や黄色の縞が見られる。金属水素層で生じる電流が作り出す土星の固有磁場は地球磁場よりも若干弱く、木星磁場の1/12程度である。外側の大気は変化が少なく色彩の差異も無いが、長く持続する特徴が現れる事もある。風速は木星を上回る1800km/hに達するが、海王星程ではない。
土星は恒常的な環を持ち、9つが主要なリング状、3つが不定的な円弧である。これらはほとんどが氷の小片であり、岩石のデブリや宇宙塵も含まれる。知られている限り82個の衛星を持ち、うち53個には固有名詞がついている。これにはリングの中に存在する何百という小衛星(ムーンレット)は含まれない。タイタンは土星最大で太陽系全体でも2番目に大きな衛星であり、水星よりも大きく、衛星としては太陽系でただひとつ有意な大気を纏っている。
日本語で当該太陽系第六惑星を「土星」と呼ぶ由来は、古代中国において五惑星が五行説に当てはめて考えられた際、この星に土徳が配当されたからである。英語名サターンはローマ神話の農耕神サートゥルヌスに由来する。
50年後、佐沼帝国の支配下にある木星が帝国からの独立を宣言し、月は帝国の併合に動き出す。月の自治が危うくなったその時、時間霊廟内で辺見のホログラフ動画が出現する。その場に詰めかけた理事会の面々や佐沼月に向かって、銀河の反対の端にある室町帝国の存在と、電子辞書の製造が杜撰であり、佐沼帝国の真の目的を語りだした。これと同時に水星が火星への無血クーデターが成功。佐沼月は策略を用いて木星の侵攻を阻止する。
最初の危機を乗り切った佐沼帝国は、自らが保持し、周辺諸国が維持できずに失った高度な科学力を周辺国に提供し、月は木星の第2の挑戦をも阻止する。
徐々に勢力を伸ばしていた水星だったが、周辺諸国の王たちから見れば、水星の科学力を受け入れることすなわち水星の支配に屈することでもあってとうてい受け入れられず、科学力と経済力を組み合わせた拡大策も限界に達した。その頃から次第に水星の科学の成果たるオーバーテクノロジーな商品を売る貿易商人たちが勢力を伸ばして行く。その貿易商人たちの1人赤坂完治は、土星に囚われた水星の工作員イラマ・リリックを救出する任務と、土星で一商売して自分の営業ノルマを達成しなければならないという難問に直面する。土星に関しては、赤坂の計略で小口の貿易から始め、結果として水星との交易を受け入れるまでに至らせることとなるが、却ってこれが周辺星域の、まだ水星の商業圏に属さない国々の反感を招く結果となる。
そんな中、弱小国だったはずの室町帝国内にて、水星の原子力宇宙船が行方不明になる事件が続き、貿易商人の室井慎吾が偵察に送り込まれる。原子力に対抗しうるのは原子力だけであるため、当初室町帝国へ原子力機器を提供しているのは、水星内部の裏切りによるものと考えられていた。しかし室井の調査により、室町帝国は既に過去の物と思われていた佐沼帝国の技術力と兵器を供与されていたことが判明する。さらなる調査の結果、室町帝国が手に入れた兵器は、佐沼帝国の間中康弘総督が、独断で供与したもので、佐沼帝国そのものは室町帝国とは無関係であること、そしていまや水星の科学技術は退化しつつある帝国のそれさえもを超えたことを知る。帰国した室井は貿易商人たちの力を削ごうとする水星上層部の陰謀をも廃し、室町帝国との独占貿易で得た莫大な富で豪商となり、その富を利用して政界・財界すべての独裁権力を得る。
月と王馬は富士山の上で握手をした。
「これ以上争うのはよそう」
月がそんなことを言うとは王馬は予想していなかった。殺すことが誰よりも好きな人間だ。
「俺もそう思っていたところだ」
王馬は孫娘、
雲海の下に見える町並みが美しかった。
「もう血を見るのにも飽きてきた頃だ」
悪魔は月がそんな風に変わるなんて信じられなかった。
月に戻ってガーデニングでもしようかな?と、月は真昼の満月を見上げた。
心臓が潰れる音がした。
月が裏切るというなら容赦はしない。
悪魔は月を見限ることにした。
月の瞳に涙を溢れさせた。
お母さん、そう言おうとしたが冥界へと堕ちていった。
佐沼帝国 鷹山トシキ @1982
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