ウーアの正体が「ただの●●●ではない」と明かされた瞬間よりも、それを演じきった「元・◯◯」の業の深さ……鳥肌がたちました。呪いの正体が祟りか偶然かは曖昧にしたまま、理知的な語り手の視点で綴られているからこそ、終盤に至る弟への視線が恐ろしくリアルです。倫理がすり減っていく音が、静かに、確かに響く。これは静かな地獄の物語。しかも、人間の現実に即した……
久しぶりにこちらを再読して、やっぱり大好きだった。私は小説からは特に、傷つけられるような体験を得たいと思っているタイプで、その点で最高の小説。最高の表現力。
自身を見詰める目?他人を見詰める目?魚の目?ねこの目?それとも現実に視線を送らない目?現実を見れる目?あるいはパンツを見る目かも知れない(ぁ見方で物事の姿は変わるもの。あなたが今見ているものは何ですか?もう一度そんな事を、この物語を見る事で考えてみませんか?
父親の故郷の閉塞感を思い出しました...胸糞が悪くなるような、そんな田舎に蠢く形のない悪意みたいなものがあるけど、かえってそれが生々しい。怖くて嫌だけど、好きなんジャンルの作品です。あまり多くを語ると、この作品の持つ雰囲気を壊してしまいそうなので、このレビューを読まれた方ならば一度読んでみてください。
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