概要
名前も、彼も、全ては、山神さまのもの。
その夏、日照りが続いて畑はひび割れた。両親を失った幼い姉弟に村長は男児を山神さまの元へ向かわせると言う。贄になると悟った姉は弟の身代わりとなって、自ら髪を削いで供物と共に輿に乗った。
山奥で出会ったのは、山神さまに舞を捧げる男・アタリだった。女はいらないという宮で弟の名・アオバを名乗って男装をし、眠っている山神さまが目覚めるまで働くこととなる。
やがて目覚めた山神さまは、ある日唐突にアオバを「盗人」だと言い、彼女を庇うアタリとともに呪いのような盟約を課して宮を追放する。
「5年以内に男児を産み、山へ返せ」
過酷な盟約の裏にある、山神さまの真意とは――
人と神の間で紡がれる、切なくも温かな愛の物語。
小説家になろうにて、Webアンソロジー企画 音の結び目(https://ncode.syos
山奥で出会ったのは、山神さまに舞を捧げる男・アタリだった。女はいらないという宮で弟の名・アオバを名乗って男装をし、眠っている山神さまが目覚めるまで働くこととなる。
やがて目覚めた山神さまは、ある日唐突にアオバを「盗人」だと言い、彼女を庇うアタリとともに呪いのような盟約を課して宮を追放する。
「5年以内に男児を産み、山へ返せ」
過酷な盟約の裏にある、山神さまの真意とは――
人と神の間で紡がれる、切なくも温かな愛の物語。
小説家になろうにて、Webアンソロジー企画 音の結び目(https://ncode.syos
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!全ては表裏一体。相手を思いやる選択が導く未来。
陰と陽のように全ては一対で、幸と不幸はその見る角度で姿を変え、与えられるのは神罰なのか祝福なのか。
男児を神に捧げてその苦難を乗り越えようとする村の、幼い姉弟。弟を庇って姉は神にささげられる事を選び取るのですが、その愛情を伴う行動が運命を動かし始めます。
アオバと名乗った健気な少女の生きる姿を綴った物語で、彼女が得るものは悲劇なのか幸福なのか。
長く姫神に仕える男性アタリ、少女アオバ、そして姫神。三者三様に相手を思いやり、選択をしたその結果。
そこはかとない哀しさが根底に横たわりつつも美しい、愛のある風景の物語を見届けて欲しいです。 - ★★★ Excellent!!!山神さまと、異界を超える健気な少女の物語。
旱魃に苦しむ小さな村で、親を喪い寄り添うように生きて来た双子の姉弟は、山神さまへの「使い」を頼まれた。姉は弟の青葉をかばい、男児となって山へ赴く。人里とは時間の流れ方の違う山神の宮で、彼女は一人の男性と出会う。アタリという名の男性は、かつて山神さまの許へ送られた子どもだったが――
◇
弟を想う「ぼく」や、山神さまに仕えるアタリの心情、山の風景などが、丁寧に描かれた作品です。孤独な女神を労わる少女の気持ちが沁みるように美しい。人界の営みと神々の暮らす異界とは、隔てがありますが、そこを超えて行き来する親子・兄弟の在り方は素敵だと感じました。
個人的には、烏天狗がお気に入りです。…続きを読む