笑って泣いてまた笑う、軽やかな甘酸っぱさがじわり染み入る友情物語
- ★★★ Excellent!!!
勉強もスポーツも平均値より低い中学生、ガリこと洋一が宇宙人……と名乗るロボット、ポケットと出会い、友情を育む物語。
と聞くと、某猫型ロボット的な便利道具でちゃちゃっと問題解決しちゃうお話かと思うでしょう?
ところがどっこい、ポケットは便利道具など与えず、時に口うるさく時に口やかましく叱咤激励し、何事も彼自身の力で切り拓くよう、何もできないと諦めへたり込み地面に癒着したような洋一のケツを叩くのです。
ダメダメ少年だった洋一が少しずつ成長していく姿、そして何だかんだで友情を深め合っていく二人の姿が等身大に描かれており、特に洋一の心の表現には中学生らしい瑞々しい感性が光ります。
おかげで自分も中学生時代のことを思い出し、ついでに黒歴史まで蘇って激しくジタバタしてしまいました。
ところどころに散りばめられたドツボにハマって大変な笑いの数々も、この作者様ならでは。
なのにしっかりと泣かせてくるんだから、心憎い!
星に願った祈りが届き、星からやってきた最高の友達。
思わず夜空を見上げ、童心に返って流れ星を探したくなる素敵なお話でした!!