「ひとり上手」「悪女」「時代」あるいは「道化師のソネット」

作者様はこの作品を執筆中、中島みゆきをよく聞かれたそうです。
私なりにも感じたのですが、初期の中島みゆきを文学で表現すると
確かにこの作品になります。

ひとり上手と呼ばないで、ひとりが好きな訳じゃない

 彼女も割と忙しいようで、そうそう付き合わせてもいられない

  今日は斃れた旅人達も、生まれ変わって旅に出る

まさに作者様は彼女の表現したかったことを、この作品で
述べられています。

人は決してひとりでいたい訳でもない、他人には遠慮もある、
それでも誰かが誰かを必要としている。
そして生まれてきた意味を見直そう。
そんな世界がこの「龍の背に乗れる場所」に書かれている意味です。

そしてもう一つ、さだまさしの「道化師のソネット」
これも古い曲なのでご存じではない方が多いでしょう。

 笑ってよ君のために、笑ってよ僕のために

そんな歌詞から始まる愛の唄

 せめて笑顔が救うのなら、僕はピエロになれる

私たちの周りには、私たちが笑顔でいられるように
自分でピエロになってくれる人がいます。

その人達の本当の気持ちを分かってあげて下さい
笑われたくはないのです、ただ笑って欲しいのです。

この曲を作者様はご存じかどうか分かりませんが
最終的なエンディングに「道化師のソネット」の世界が
この物語を救っています。




笑われたくないのです、ただ笑って欲しいのです
この「龍の背に乗れる場所」に書かれてある
ある特定の応援コメント代表として、静かに筆を収めたいと思います。


笑われたく(もう、ええっちゅうねん!)

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