魔法使いと花:後篇

魔法使いから、花を捜してほしいと言われた探偵ゆうじんは、

『しかたないなあ

それで、何か手掛かりはあるかい?』

と、訊きました

魔法使いは、

『そんなの、ないよう』

と、さめざめと泣いているだけです

困り果てた探偵ですが、少年あいぼう

『ちょっと、頼まれてくれるかい?』

と、言いました

『いいよ、なに?』

『古い知り合いを、呼んで来てくれるか?

本当は、僕が行くべきなんだが、ちと訳ありでね』




結局、家に帰った魔法使いですが、翌日、いつもの所に、見慣れた花があるのを、発見しました

鉢の中に、手紙があって、そこには

「どうやら、オレのが、あんたに恨みがあって、この花を隠したらしい

花は返しておく

後は、オレに任しておけ

V.F」

と、書かれていました

魔法使いは、とにかく返ってきたうれしさに、花を抱きしめました

彼等は、命続く限り、もう離れることは、ないでしょう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

小夜曲集 今村広樹 @yono

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ