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概要
恋に月十二万円が出る国で、ふたりは、たった一本のお茶を渡せないでいる。
【紹介文】
二〇三三年、近未来の東京。国が恋人に月十二万円を払う時代、審査官の男は、偽りの申請書に潜む一人の女の読点に恋をしてしまった。女は元頂き女子、恋を書いて国費を抜く愛の偽造職人。差戻通知と補足書。顔も知らない二人の往復は、いつしかこの国でいちばん官能的な恋文になる。男は配信を閉じ、女は初めて手口を見失う。渡さない。まだ、渡さない。数十万組が一斉に別れる夜が来る前に、このお茶が冷めるまでに、
【あらすじ】
交際審査局の審査官・沖野恵は、生成された申請書に一件四十秒で印を押し、給料の大半を推しの配信に注いできた三十一歳の男だ。ある深夜、彼は緑のランプのともる申請書の山に、同じ「声」を聞き取る。どの恋でも、誰かが何かをすぐには渡さない。首に当てたお茶、返されない傘、使われない合鍵。不正
二〇三三年、近未来の東京。国が恋人に月十二万円を払う時代、審査官の男は、偽りの申請書に潜む一人の女の読点に恋をしてしまった。女は元頂き女子、恋を書いて国費を抜く愛の偽造職人。差戻通知と補足書。顔も知らない二人の往復は、いつしかこの国でいちばん官能的な恋文になる。男は配信を閉じ、女は初めて手口を見失う。渡さない。まだ、渡さない。数十万組が一斉に別れる夜が来る前に、このお茶が冷めるまでに、
【あらすじ】
交際審査局の審査官・沖野恵は、生成された申請書に一件四十秒で印を押し、給料の大半を推しの配信に注いできた三十一歳の男だ。ある深夜、彼は緑のランプのともる申請書の山に、同じ「声」を聞き取る。どの恋でも、誰かが何かをすぐには渡さない。首に当てたお茶、返されない傘、使われない合鍵。不正
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