概要
妊娠三か月。エコーには何も映らないのに、...
妊娠12週を迎えた日、夫の神代慧吾と一緒に、汐見市の産婦人科医療センターを訪れた。
神代家は、私たちの結婚を歓迎していなかった。地方の小さな食堂で育った私と、神代ホールディングスの後継者である慧吾では、釣り合わないと思われていたからだ。
そんな家の空気が少しだけ変わったのは、私の妊娠が分かってからだった。
だからその日も、普通の妊婦健診で終わるはずだった。
担当の片桐医師が、モニターを見たまま動かなくなるまでは。
「神代さん、以前の検査では、妊娠していると診断されたんですよね?」
「……どういうことですか?」
片桐医師がモニターをこちらへ向けた。
「今の画像では、胎児が確認できません」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
生理は三か月来ていない。吐き気も眠気もあった。妊娠検
神代家は、私たちの結婚を歓迎していなかった。地方の小さな食堂で育った私と、神代ホールディングスの後継者である慧吾では、釣り合わないと思われていたからだ。
そんな家の空気が少しだけ変わったのは、私の妊娠が分かってからだった。
だからその日も、普通の妊婦健診で終わるはずだった。
担当の片桐医師が、モニターを見たまま動かなくなるまでは。
「神代さん、以前の検査では、妊娠していると診断されたんですよね?」
「……どういうことですか?」
片桐医師がモニターをこちらへ向けた。
「今の画像では、胎児が確認できません」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
生理は三か月来ていない。吐き気も眠気もあった。妊娠検
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