概要
その美女、私のために花婿になりたいそうです
婚約者がひざまずいたのは、私ではなく、私の隣の美女だった。
「このように可憐な女性こそ、僕の妻にふさわしい」
私、ノエーミは扇で口元を隠した。笑ってはいけない。
つい先ほど慈善劇の姫役を終えたその人は、侍女ではない。二十四歳の護衛騎士、イヴァーノである。
「男ですが」
「では――」
「お断りです」
かつらを外した彼は、いつもの低い声で続けた。
「では、ノエーミ様との婚約は解消ですね。僕はこの方に、求婚したいのですが」
そこで笑えなくなったのは、私のほうだった。
慰めのお芝居だと思った翌朝、彼は騎士服で花を持って現れ、昨日の続きを始めてしまう。
「守る仕事と、好きになることは、別です」
裏方の私を華やかな美女に替えるつもりだった元婚約者様は、二人に同時にそっぽを向かれて大慌て。言い訳も贈り物も
「このように可憐な女性こそ、僕の妻にふさわしい」
私、ノエーミは扇で口元を隠した。笑ってはいけない。
つい先ほど慈善劇の姫役を終えたその人は、侍女ではない。二十四歳の護衛騎士、イヴァーノである。
「男ですが」
「では――」
「お断りです」
かつらを外した彼は、いつもの低い声で続けた。
「では、ノエーミ様との婚約は解消ですね。僕はこの方に、求婚したいのですが」
そこで笑えなくなったのは、私のほうだった。
慰めのお芝居だと思った翌朝、彼は騎士服で花を持って現れ、昨日の続きを始めてしまう。
「守る仕事と、好きになることは、別です」
裏方の私を華やかな美女に替えるつもりだった元婚約者様は、二人に同時にそっぽを向かれて大慌て。言い訳も贈り物も
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