概要
扉が開くたび、俺たちは夫婦に近づく。
王都の外れにある縁の迷宮は、十二の階層の扉が「契りを結んだ二人」にしか開かない。
契りとは、神殿で誓い、同じ夜に初夜を済ませること。王国の法でも夫婦になる。
剣聖セリスは最下層にある母の剣を取りに行きたい。だが扉の碑文は古語で、読めるのは碑文読みだけだ。
碑文読みは全員断った。俺だけが「契りの中身を先に読ませろ」と言った。
「私は剣以外を知らない。仕事として頼む」
俺の理由は別にある。三年前、師が最下層の碑文の最後の一行を読みに行って、戻らなかった。
誓いの夜、彼女は剣を壁に立てかけて、外套を脱いだ。
翌日、第一層の扉が開いた。迷宮は、俺たちを夫婦と認めた。
第二層の問いは「真名を交わした二人」。第三層は「互いの傷を知る二人」。第四層の間には、寝台が一つしかない。
降りるほど、契りは深くなけ
契りとは、神殿で誓い、同じ夜に初夜を済ませること。王国の法でも夫婦になる。
剣聖セリスは最下層にある母の剣を取りに行きたい。だが扉の碑文は古語で、読めるのは碑文読みだけだ。
碑文読みは全員断った。俺だけが「契りの中身を先に読ませろ」と言った。
「私は剣以外を知らない。仕事として頼む」
俺の理由は別にある。三年前、師が最下層の碑文の最後の一行を読みに行って、戻らなかった。
誓いの夜、彼女は剣を壁に立てかけて、外套を脱いだ。
翌日、第一層の扉が開いた。迷宮は、俺たちを夫婦と認めた。
第二層の問いは「真名を交わした二人」。第三層は「互いの傷を知る二人」。第四層の間には、寝台が一つしかない。
降りるほど、契りは深くなけ
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