概要
神は、殺した男も、殺された六人も、等しく愛している。
「六人を殺して、何も起きなかった。」
神が人間を愛しているなら、なぜ父を救わなかったのか。
瀬尾は神の不在を証明するため、人を殺し始めた。祈る者の命を奪っても、神は現れない。どれほど残虐なことをしても、世界は何事もなかったかのように続いていく。
六人目の殺人で、瀬尾は逮捕された。
それから二年。拘置所を訪れたのは、最後の被害者を救おうとして瀬尾を殴り倒した神父だった。
神父は瀬尾を憎んでいる。それでも、今なお神を信じているという。
「俺があの人を殺しているときも、神は見ていたのか」
その問いから始まった二人の問答は、やがて瀬尾の信念を根底から崩していく。
神の不在を証明したかった男。
彼が最後に恐れたのは、神の裁きではなかった。
神が人間を愛しているなら、なぜ父を救わなかったのか。
瀬尾は神の不在を証明するため、人を殺し始めた。祈る者の命を奪っても、神は現れない。どれほど残虐なことをしても、世界は何事もなかったかのように続いていく。
六人目の殺人で、瀬尾は逮捕された。
それから二年。拘置所を訪れたのは、最後の被害者を救おうとして瀬尾を殴り倒した神父だった。
神父は瀬尾を憎んでいる。それでも、今なお神を信じているという。
「俺があの人を殺しているときも、神は見ていたのか」
その問いから始まった二人の問答は、やがて瀬尾の信念を根底から崩していく。
神の不在を証明したかった男。
彼が最後に恐れたのは、神の裁きではなかった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!神の不在を証明したかった男が感じたもの
最初は、神の不在を証明するために六人を殺したという瀬尾の言葉に、理解できない冷たさを感じた。けれど父の介護をしていた頃の記憶を読むと、彼が何に怒り、何を許せずにいたのかが少しずつわかってくる。父を救えなかった悲しみだけでなく、父の死後に母と笑ってしまった自分まで許せなかった。その苦しみが、いつしか神を否定するために他人の命を奪う行為へと変わってしまったのが、やりきれない。ラストで瀬尾の納得感に読者として納得できたかと聞かれたら、理屈として納得したわけではないけれど、瀬尾がそこにたどり着いた感情は理解できた、というのが近い。瀬尾が受け取ったものは、神の存在を裏づける証拠ではない。自分を憎んでい…続きを読む