概要
――しかしこんな所で日本人に遇うなんて、マジ驚いたわ。ちょっと聞いてくれ。
「カクヨムお題チャレンジ(KOC)2026秋」第3回「手紙」、および、柴田恭太朗様主催の自主企画『三題噺 #169』(お題「馬」「散」「値段」)の参加作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!怪異は水面に浮かぶ
最初は、スコットランド旅行中に遭難した日本人男性の体験談として読んでいたが、金髪の青年や白馬の不自然な濡れ方など、少しずつ違和感が積み重なっていく展開がいい。特に、濡れた馬から手が離れなくなる描写は、ケルピーという怪異の恐ろしさを身体感覚で理解させられる。そして、伝承の説明を経て、語り手自身がの現在の状態が明かされる展開には鳥肌がやまなかった。冒頭からずっと会話していた相手が何者だったのか、最後の一文まで読んでようやく状況がつながる構成も巧み。個人的には、助けを求める声が聞こえているのに、引き上げるべきか悩んでいるという締め方が印象に残った。怪異の恐怖だけでなく、目の前のものを救うべきかとい…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!wandering horse
舞台はイギリス。
悪天候、メリーポリンズ、奇抜な料理でおなじみである。
しかもイギリスの中でもスコットランド。
レビュワーが死ぬまでに行きたい場所の一つである。
ウイスキーにバグパイプ。そしてマッシュポテトにハギス。
赤い顔で、「俺は雄牛を肩に担げるんだぜ!」などと言いながらおいちゃんが、
いかにも強そうな酒を、ビールをチェイサーに飲んでいる。
そんなイメージの国。
主人公もスコットランドに来た日本人ということで、自分と重ね合わせてしまった。
一方、語り部は、イングランド出身らしい。
そんな二人が、スコットランドで出会った。出会った……?
という物語。
話の構造は、語り部となる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!スコットランドに根付く伝承と怪異を見事に融合させた傑作短編ホラー
旅先で人里離れた道に迷い込んでしまった語り手の男。
日が落ち、車も動かなくなって立ち往生していた彼の前に現れたのは見知らぬ青年と一匹の美しく真っ白な馬。暗闇の中で安心したのも束の間、親切な案内に導かれて馬にまたがった瞬間から、男の運命はすでに狂い始めていた。
この作品が単なるホラーでないところ。
それはスコットランド伝承に登場する水の魔物『ケルピー(水馬)』というモチーフを題材にしつつ、日本の河童伝説や言葉遣いにおける文化的な考察を絡めている点であり、それにより物語に知的な深みを与えていると感じられます。
また軽妙で親しみやすい語り口と、物語が進むにつれてじわじわと侵食してくる絶望的な恐…続きを読む - ★★★ Excellent!!!妖精と妖怪の違いとは…。
イギリスのスコットランドの伝承は多い。
美しい自然の多い土地柄だが、決して油断は
ならないのだ…。
異国の地で矢鱈と気軽に話しかけられた
その相手は、自分の奇妙な体験を語る。
エディンバラでレンタカーを借りてネス湖に
行こうと思ったのだが、車のトラブルで
途方に暮れていた
そんな時に聞こえた馬の嗎き。
北ブリテンの美しい森林や湖沼を旅する様な
心持ちでいると突然、足下を掬われる。
軽妙に話す男に悲壮感は微塵もないが。
ケルピーと呼ばれる水の妖精、もとい
恐ろしい妖怪をも現地では 妖精 と呼ぶ。
男の語る話は余りにも荒唐無稽だが
充分、信用に足る。
まさか、こんな事がある…続きを読む