概要
払うべき金は一銭残らず払う。払わない金は一銭も払わない。
港町ヴェルモンドの香辛料倉が、飛竜に焼かれた。
保険組合は、倉の持ち主の娘リースベトの証言に疑問を抱き、査定人に命じる。灰の一片までひっくり返して調べてこい、と。
送りこまれたのは、くたびれた外套の査定人ウィレム。組合では「払いすぎの兎」と笑われている男だ。
彼は屋根の爪痕を測り、焼け跡に落ちた糞を割って、言った。
「竜害は本物です。ただし、この飛竜は呼ばれて来ました」
飛竜は、飢えていなければ町を襲わない。では、誰が、何のために呼んだのか。
全滅した冒険者の組、光らない家宝、海蛇に沈められた交易船。
魔物の生き方を読めば、嘘は必ずほころびる。
そしてウィレムには、誰にも話していない前歴があった。元・王国軍特務偵察隊、生存術教官。
「払うべき金は、一銭残らず払います。払わない金は、一
保険組合は、倉の持ち主の娘リースベトの証言に疑問を抱き、査定人に命じる。灰の一片までひっくり返して調べてこい、と。
送りこまれたのは、くたびれた外套の査定人ウィレム。組合では「払いすぎの兎」と笑われている男だ。
彼は屋根の爪痕を測り、焼け跡に落ちた糞を割って、言った。
「竜害は本物です。ただし、この飛竜は呼ばれて来ました」
飛竜は、飢えていなければ町を襲わない。では、誰が、何のために呼んだのか。
全滅した冒険者の組、光らない家宝、海蛇に沈められた交易船。
魔物の生き方を読めば、嘘は必ずほころびる。
そしてウィレムには、誰にも話していない前歴があった。元・王国軍特務偵察隊、生存術教官。
「払うべき金は、一銭残らず払います。払わない金は、一
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