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概要
倒した巨獣は、まだ子どもだった。最後の遠吠えは北の親へ向けられていた。
辺境のヴァイデ谷に、城壁ほどもある巨牛が降りてきた。
討伐に向かった騎士と冒険者、三十人。生きて戻ったのは、一人だけ。
失敗の責めを負わせるため、王の会議が谷へ送りこんだのは、王立文書館の地下で「骨数え」と笑われる記録官ヨナス。兵卒の手柄を貴族の名に書き換えるのを拒み、左遷された男だ。
剣も魔法も使えない。あるのは、魔素の音を聞く耳と、調べる根気だけ。
本人は、本気で思っている。調べれば、誰にでもわかることだと。
谷の修道院に眠る二百年前の年代記には、同じ巨牛のことと、それを狩りに北から来た大狼のことが書かれていた。
大狼は巨牛を倒し、骸が尽きれば人里へ下りる。猶予は、ひと月。
けれど、大狼を退けた「倒し方」の四枚だけが、刃物で切り取られていた。
手がかりは、子どもの数え歌と、年代記に
討伐に向かった騎士と冒険者、三十人。生きて戻ったのは、一人だけ。
失敗の責めを負わせるため、王の会議が谷へ送りこんだのは、王立文書館の地下で「骨数え」と笑われる記録官ヨナス。兵卒の手柄を貴族の名に書き換えるのを拒み、左遷された男だ。
剣も魔法も使えない。あるのは、魔素の音を聞く耳と、調べる根気だけ。
本人は、本気で思っている。調べれば、誰にでもわかることだと。
谷の修道院に眠る二百年前の年代記には、同じ巨牛のことと、それを狩りに北から来た大狼のことが書かれていた。
大狼は巨牛を倒し、骸が尽きれば人里へ下りる。猶予は、ひと月。
けれど、大狼を退けた「倒し方」の四枚だけが、刃物で切り取られていた。
手がかりは、子どもの数え歌と、年代記に
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