概要
《函館・未完の鉄道》線路はなくても、夢の跡はここにある。
函館市の旧戸井線をめぐる物語は、六年生・海斗の素朴な疑問から始まる。昭和初期、本州と北海道を結ぶ夢と軍事上の使命を背負って建設された旧戸井線。戦争や資材不足に苦しみながらも、海岸や断崖に挑んだ人々の願いは、ついに鉄道として実を結ぶことはなかった。観光鉄道や青函トンネルの東ルートなど、再利用の構想も幻に終わったが、橋脚やアーチ橋、駅跡、未完成のトンネルは今も町に残されている。歴史の片隅に眠る遺構を通して、そこに確かに存在した夢と人々の思いを、未来を生きる子どもたちへと語り継ぐ物語である。
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