概要
歌って、食べて、ちょっと救う。清国まるごと、旅の空。
文政三年(一八二〇年)、長崎の港から、一艘の唐船が清国へ向かった。
乗っているのは、旅芸人の「福来一座」。口八丁の商人、怪力の大工、腕のいい女医、猿のように身軽な冒険者、清国語を操る通詞、長崎の卓袱料理を担う女将と、六歳の娘。そして、片手で大男を転がす若衆の長・鷹見銀十郎。
甘い物と大きな胸に弱く、肝心なところで必ず転ぶ。しかも一座の面々は、蛾や蜘蛛やナメクジが大の苦手である。
目的は、役人でも商人でもない、清国の人々と友になること。掟は三つ。人は殺さない。勝っても居座らない。礼は、食べ物ひと椀まで。
川賊に奪われた種籾、歪んだ升、開かない水門、阿片に沈む港。困っている人がいれば、芸と知恵と、ほんの少しの腕っぷしで手を貸し、役人が来る前に旅立つ。そして夜には、どこでも宴。
懐の雛人
乗っているのは、旅芸人の「福来一座」。口八丁の商人、怪力の大工、腕のいい女医、猿のように身軽な冒険者、清国語を操る通詞、長崎の卓袱料理を担う女将と、六歳の娘。そして、片手で大男を転がす若衆の長・鷹見銀十郎。
甘い物と大きな胸に弱く、肝心なところで必ず転ぶ。しかも一座の面々は、蛾や蜘蛛やナメクジが大の苦手である。
目的は、役人でも商人でもない、清国の人々と友になること。掟は三つ。人は殺さない。勝っても居座らない。礼は、食べ物ひと椀まで。
川賊に奪われた種籾、歪んだ升、開かない水門、阿片に沈む港。困っている人がいれば、芸と知恵と、ほんの少しの腕っぷしで手を貸し、役人が来る前に旅立つ。そして夜には、どこでも宴。
懐の雛人
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