概要
俺が毒蛇に噛まれたのに、婚約者は救急用品をすべて別の男に渡した
結婚を控えた旅行の三日目、俺は霧谷渓谷で蛇に噛まれた。
婚約者の朝倉奈緒と、彼女が長年面倒を見ている瀬川拓海。三人でキャンプに来ていた俺たちは、その日、山奥の滝を見に行く予定だった。
草の生い茂った遊歩道を歩いていると、右ふくらはぎに鋭い痛みが走った。足元から蛇が這い出し、茂みの奥へ消えていく。噛まれたあたりがみるみる腫れ、足首まで痺れ始めた。
「奈緒、マムシかもしれない! 救急車を呼んでくれ!」
奈緒が振り返ろうとした、そのときだった。少し離れた場所から拓海の悲鳴が上がった。
「奈緒さん! 今、蛇がこっちに来て……怖かった!」
奈緒は俺の横を通り過ぎ、拓海のもとへ駆け寄った。転んだ拍子に手のひらを擦りむいたらしく、拓海は情けない顔で傷を見せている。奈緒はその場にしゃが
婚約者の朝倉奈緒と、彼女が長年面倒を見ている瀬川拓海。三人でキャンプに来ていた俺たちは、その日、山奥の滝を見に行く予定だった。
草の生い茂った遊歩道を歩いていると、右ふくらはぎに鋭い痛みが走った。足元から蛇が這い出し、茂みの奥へ消えていく。噛まれたあたりがみるみる腫れ、足首まで痺れ始めた。
「奈緒、マムシかもしれない! 救急車を呼んでくれ!」
奈緒が振り返ろうとした、そのときだった。少し離れた場所から拓海の悲鳴が上がった。
「奈緒さん! 今、蛇がこっちに来て……怖かった!」
奈緒は俺の横を通り過ぎ、拓海のもとへ駆け寄った。転んだ拍子に手のひらを擦りむいたらしく、拓海は情けない顔で傷を見せている。奈緒はその場にしゃが
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