概要
水の魔法は手のひら一杯 みかんの甘さは二人で決める
うちのため池から、顔のいい男が浮かんできた。
玄界灘の見える福岡の段々畑で、みかんを育てる二十歳の立花みのり。あだ名は「まめ」。
花の少ない五月の朝、家のため池に浮かんでいたのは、異世界の村で泉を守る青年、スイランだった。
彼は取水口に見とれ、用水路の前で泣き、海を見て「もったいない」と言う。
使える魔法は、水を手のひら一杯ぶん動かすことだけ。水は生み出せないし、みかんの甘さも分からない。
それでも、彼が水の行き先を感じ取り、まめが観察と記録で確かめれば、見つからなかった水漏れが見つかり、園の仕事が少しずつ変わっていく。
異世界ものを読みすぎた弟は相棒を名乗り、祖父は理由も言わずに「ああ、うちの客たい」。
摘果、かん水、台風、収穫、こたつ、池干し、接ぎ木。
段々畑の二年分の季節を、博多
玄界灘の見える福岡の段々畑で、みかんを育てる二十歳の立花みのり。あだ名は「まめ」。
花の少ない五月の朝、家のため池に浮かんでいたのは、異世界の村で泉を守る青年、スイランだった。
彼は取水口に見とれ、用水路の前で泣き、海を見て「もったいない」と言う。
使える魔法は、水を手のひら一杯ぶん動かすことだけ。水は生み出せないし、みかんの甘さも分からない。
それでも、彼が水の行き先を感じ取り、まめが観察と記録で確かめれば、見つからなかった水漏れが見つかり、園の仕事が少しずつ変わっていく。
異世界ものを読みすぎた弟は相棒を名乗り、祖父は理由も言わずに「ああ、うちの客たい」。
摘果、かん水、台風、収穫、こたつ、池干し、接ぎ木。
段々畑の二年分の季節を、博多