その夜、少女は「本」で、変身した。
胸元に差したのは、愛読書。
そして、開かれたページが、彼女を戦士に変えた。
――舞台は、男子が存在しない学園都市。
読書と親友との平穏な日々を愛していた図書委員長・唯月時奈。
だがその日常は、突如現れた異形の怪物〈劾人〉によって壊される。
惨劇の夜、彼女の手に託されたのは
「本の力で変身する」という謎の兵装《ドリームズ・システム》。
ページを開けば、武器が生まれる。
物語の力が少女の身体を変える。
──だが、戦うことは、奪うことでもある。
彼女は命を奪った罪に震え、
誰かを守れなかった自分を責める。
それでも、守りたい人がいるから。
変身する理由が、ここにあるから。
胸に本を抱き、少女は問う。
「優しさ」を信じたまま、強くなれるのか──
静かで、鋭くて、
ときに可笑しく、ときに切ない。
物語と日常、血と友情。
すべてが交錯する、この「読書戦記」に
あなたの心も、きっと巻き込まれる。