概要
辞令は鞄の中にある。言う機会を、くれなかったのは君だ
金曜の夜9時。昇進の辞令を鞄に入れ、花を買って帰った。妻の佳澄は、その花を見なかった。
ソファの横には、妻の親友・結華が立っている。
「失業したのよね」
部がひとつなくなるのは本当だ。俺は本部へ移る。そう言いかけた口は「聞かない」で塞がれ、テーブルに離婚届と離婚協議書が出てきた。
車は買った値段で、家はローンの利息まで足した総額で、それぞれ半分。預金も分けて、5年分の生活費まで乗せる。電卓が出した合計は、8260万。
「失業した役立たずのくせに」
言えば、この紙は引っ込む。引っ込む紙なら、最後まで見ておこうと思った。
俺はペンを取らずに、自分のスマホを伏せてテーブルの端に置く。
辞令が全社に流れるのは、月曜の9時。その前に、親友のスマホが鳴る。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
ソファの横には、妻の親友・結華が立っている。
「失業したのよね」
部がひとつなくなるのは本当だ。俺は本部へ移る。そう言いかけた口は「聞かない」で塞がれ、テーブルに離婚届と離婚協議書が出てきた。
車は買った値段で、家はローンの利息まで足した総額で、それぞれ半分。預金も分けて、5年分の生活費まで乗せる。電卓が出した合計は、8260万。
「失業した役立たずのくせに」
言えば、この紙は引っ込む。引っ込む紙なら、最後まで見ておこうと思った。
俺はペンを取らずに、自分のスマホを伏せてテーブルの端に置く。
辞令が全社に流れるのは、月曜の9時。その前に、親友のスマホが鳴る。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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