概要
神経を鎮めたあとに、何が残るんだろう。
木が怖かった。そう言うと頭がおかしいと思われるけれど、本当に怖かったんだから仕方がない。
膠原病とステロイドで、顔は丸く膨れた。薬は朝に八錠、昼に四錠、夜に十一錠。東京の劇団を捨てて逃げ帰った長崎の平屋から、行ける場所は病院とスーパーだけだ。
外に出られる朝は、イチョウの木の前で太極拳をする。毎日同じ敷石の、同じ場所で。
思い出しているのは、二〇一三年のあの春のことだ。
膠原病とステロイドで、顔は丸く膨れた。薬は朝に八錠、昼に四錠、夜に十一錠。東京の劇団を捨てて逃げ帰った長崎の平屋から、行ける場所は病院とスーパーだけだ。
外に出られる朝は、イチョウの木の前で太極拳をする。毎日同じ敷石の、同じ場所で。
思い出しているのは、二〇一三年のあの春のことだ。
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