概要
バスは猫で遅れ会議も猫が決める。そんな街で、でも私は一人じゃなかった。
十月、会社の駐車場に猫が一匹住みついた。
課長はその茶トラを「一号」と名付けた。
街の猫は、一匹ずつ、確実に増えていった。
バスの時刻表には「猫の横断により前後します」の貼り紙。
回覧板には肉球の承認印。
魚屋の店先には「猫さんの分」の干物が一枚。
誰も怒らない。
みんな、少しだけ優しく、少しだけゆっくりになっていく。
「ねえ、これおかしいよね?」
印刷会社で働く灯がそう言うと、古本屋の恋人・朔は、いつも微苦笑を浮かべながら首をかしげてくれた。
目玉焼きを焦がし、洗濯物を取り込み忘れ、題名の思い出せない本を探し続ける、
少し面倒で、でもいとおしい人。
猫を数えて、数えきれなくなって、二人で笑った。
けれど年の瀬の大掃除の日、灯は押し入れから一冊の古い手帳
課長はその茶トラを「一号」と名付けた。
街の猫は、一匹ずつ、確実に増えていった。
バスの時刻表には「猫の横断により前後します」の貼り紙。
回覧板には肉球の承認印。
魚屋の店先には「猫さんの分」の干物が一枚。
誰も怒らない。
みんな、少しだけ優しく、少しだけゆっくりになっていく。
「ねえ、これおかしいよね?」
印刷会社で働く灯がそう言うと、古本屋の恋人・朔は、いつも微苦笑を浮かべながら首をかしげてくれた。
目玉焼きを焦がし、洗濯物を取り込み忘れ、題名の思い出せない本を探し続ける、
少し面倒で、でもいとおしい人。
猫を数えて、数えきれなくなって、二人で笑った。
けれど年の瀬の大掃除の日、灯は押し入れから一冊の古い手帳
拙作をお読みいただき、ありがとうございます。もしよろしければ応援をいただけますと幸いです。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?